Vol.119 『カサノバ』
観賞映画振り返りコラムの48回目は1980年に観た『カサノバ』。友人が招待券があるということで観に行った映画で、有楽町のスバル座で観ました。
稀代の色事師として知られるカサノバの人生を、映像の魔術師と呼ばれたフェデリコ・フェリーニが映画化した作品。セットでの撮影にこだわった映像がフェリーニ独特の色彩で描き出され、他の監督にはない映像美を作り出しています。布(?)で作った海を小舟で渡るシーンなど、ともすれば陳腐な画になりがちなシチュエーションもきちんと説得力のある映像となっているのはフェリーニの手腕でしょう。