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コラム

映画館や試写室で観た映画・アニメ・特撮のレビューです。ネタバレはいたしません。映画鑑賞や映画選びの参考にどうぞ。

Vol.45 『戦場』

戦場観賞映画振り返りコラム14回目は1978年公開のベトナム戦争映画『戦場』。前回観た『ナバロンの嵐』が家族に喜ばれたと調子づいた父親に連れられて、弟と3人で観賞。映画館は丸の内東映パラス(現丸の内TOEI(2))。
この映画の前に観た戦争映画といえば冒険活劇的な第二次大戦ものばかりで、ベトナム戦争の映画はこれが初めてでした。当時はまだベトナム戦争が終わって間もなくであり、映画の題材として扱われることは多少はありましたが、まだまだ少ないころ。ましてや反戦色の強い映画というのは初めてだったので、現実の戦場の悲惨さというものが強く印象に残りました。

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コラム, 戦争映画          

Vol.44 『ナバロンの嵐』

ナバロンの嵐観賞映画振り返りコラム13回目は1978年公開の戦争映画『ナバロンの嵐』。有名な『ナバロンの要塞』の19年振りの続編。戦争映画が好きだった父親に連れられて家族4人で観ました。映画館はいまはなきテアトル東京。
いまでこそ戦争映画というと反戦映画が主流になっていますが、この頃まではどちらかというと冒険活劇的な映画が多く、「連合軍=善」、「ドイツ軍=悪」という勧善懲悪の構図の映画が多かったですね。

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コラム, 戦争映画          

Vol.43 『天使と悪魔』

天使と悪魔 ムービーコンパニオン有楽町マリオンでの完成披露試写会にて『天使と悪魔』鑑賞。『ダ・ヴィンチ・コード』の続編で、前作に引き続きトム・ハンクスがラングドン教授を演じています。
前作ではキリストの秘密を暴き、ヴァチカンを敵に回してしまったラングドン教授が今作では逆に、ガリレオ・ガリレイの残した暗号を解き、秘密結社イルミナティからヴァチカンを守るために活躍するサスペンスアクション映画になっています。続編でありながら、前作を観ていなくても楽しめる作りになっているのがすばらしい。

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コラム, サスペンス映画          

Vol.42 『さらば宇宙戦艦ヤマト ~愛の戦士たち~』

さらば宇宙戦艦ヤマト ~愛の戦士たち~観賞映画振り返りコラム12回目は1978年公開の『さらば宇宙戦艦ヤマト ~愛の戦士たち~』。前作『宇宙戦艦ヤマト』のときにものすごく混んでいたことを教訓に、今回は浅草東映パラスで観賞。確か弟を連れて観に行ったと思いますが、初日なのにゆったりと観られました。
1978年の配収で5位(邦画としては2位)の21億円を稼ぎ出したこの作品は、1989年『魔女の宅急便』に抜かれるまで劇場版アニメとしてトップでした。入場料金の上昇を考えに入れるとこれはものすごい記録です。この作品をきっかけにアニメが邦画の一つのジャンルを確立したのもうなづけます。

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コラム, 劇場版アニメ・イベント上映          

Vol.41 『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』

超Climax JumpTOHOシネマズ市川にて『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』鑑賞。『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』で終わりじゃなかったの?なんてヤボなことは言いっこなし。この作品からは「超・電王」という新しいシリーズとなります。
もはや仮面ライダーというブランドとは別立てしてもいいくらいの電王。本作は主役の佐藤健さん抜きで初めての作品ということもあり、今後の行方を占う上でも重要な位置付けとなる映画と言えますが、この点はクリアできていたと思います。電王の世界観はきっちりと踏襲できていますし、何より、電王作品の楽しさがきちんと伝わってきます。

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コラム, 特撮映画          

Vol.40 『スター・ウォーズ』

「スター・ウォーズ」トリロジー リミテッド・エディション 30周年記念特製缶BOX観賞映画振り返りコラム11回目は1978年公開の『スター・ウォーズ』。いまは有楽町マリオンになっている旧日劇で観ました。70mmの映画を観るのは初めてでしたがものすごい迫力でした。いまや70mmが上映されることはなくなってしまったのがとても残念です。
この『スター・ウォーズ』、いまでこそ「エピソードIV 新たなる希望」などというサブタイトルがついてますが、公開当初はそのようなサブタイトルはありませんでした。続編の製作が決まった段階で「実はあれは4本目で……」という話が急に出てきたわけですが、続きを作るのはともかく、その前の話があるという映画はあまりなかった。主人公たちの若い頃を描いた『新・明日に向かって撃て!』とか、続きと過去を織り交ぜた『ゴッドファーザー PartII』はありましたが、3本も前日談があるとは……。まあエピソードI~IIIまではかなり待たされることになるわけですが。

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SF映画, コラム          

Vol.39 『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』

名探偵コナン DVD SELECTION Case1. 工藤新一マスコミ試写にて『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』鑑賞。毎年このシーズン恒例となったシリーズの第13作。先日は『ルパン三世』とのコラボレーションで話題になっていましたね。
テレビアニメの劇場版というと、テレビシリーズを見ていないと何かとわかりにくい部分があったりしますが、この作品では江戸川コナンこと工藤新一がどうして子どもの姿になってしまったのか、そしてそれを巡る謎の組織との関係などがきちんと描かれているので初心者にもわかりやすく、かつ、その謎の組織である黒ずくめの男たちとの攻防を主軸に、コナンの戦いが丁寧に描かれています。

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コラム, 劇場版アニメ・イベント上映          

Vol.38 『未知との遭遇』

未知との遭遇 製作30周年アニバーサリー アルティメット・エディション観賞映画振り返りコラム10回目は『未知との遭遇』。この映画で初めて日比谷の有楽座へ行き、こんな大きな映画館(日本最大の席数)があったのかと驚きました。同じ料金を払うのだったら大きなスクリーン、いい音響で観たいもの。いままで下町の映画館が中心だったので、つくづくもったいないことしてたなぁという気になりました。この有楽座はいまは日比谷シャンテになっていますが、こうした大きな映画館がなくなってしまったのはとても残念です。
さて、映画について。“宇宙にいるのは我々だけではない”(We are not alone)というキャッチコピーと、光に向かって一直線に続く道。このとても印象的なポスターと、宇宙人が出てくるSF映画という知識だけで観に行き、想像をはるかに超えた世界に圧倒されました。
時空を超え、砂漠に突如現れた第二次世界大戦時の戦闘機、太陽がきたと語る、顔が半分だけ日焼けした人、謎の5音が空からきたと語るインド人、そして大停電の中、未知の物体に遭遇する人々……。これら、つながりの薄い事象がある一点に向けて収束していくストーリー展開が秀逸。

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SF映画, コラム          

Vol.37 『007/私を愛したスパイ』

007/私を愛したスパイ観賞映画振り返りコラム9回目は『007/私を愛したスパイ』。007シリーズはこの10作目からようやくスクリーンで観ることも出てきました。映画館は江東リッツ。そのせいか、私の中のジェームズ・ボンドはショーン・コネリーよりもロジャー・ムーアのほうが印象が強いです。
10作目の記念作品ということもあり、公開前からかなりの話題になっていましたが、私がこの作品を映画館で観ようと思ったのはここに貼ってあるパンフレットの表紙イラストです。このイラストは海外版ポスターの流用なんですが、描いているのはボブ・ピークというイラストレーター。『マイ・フェア・レディ』などもそうですが、数々の映画ポスターを手がけた方です。この方のイラストを観て、後々イラストやデザインの世界に進むことになったと言っても過言ではありません。

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コラム, スパイアクション映画          

Vol.36 『レッドクリフ Part II』

レッドクリフ Part I完成披露試写にて『レッドクリフ Part II』観賞。昨年11月に公開され、50億円の大ヒットを記録した『レッドクリフ Part I』の続編にして完結編。Part Iに引き続き完成披露という形で拝見したのですが、六本木ヒルズのTOHOシネマズ全スクリーン貸切だけでなく、ジョン・ウー監督、金城武さんらが舞台挨拶を行い、大阪・福岡で同時に行われた試写会場にも衛星中継……これまでいろいろな完成披露に参加してきましたが、ここまで大規模なイベントだったのは初めてでした。
話としてはPart Iの続き、いよいよ三国志最大の合戦である赤壁の戦いがメインとなります。もちろん有名な10万本の矢のエピソードもあるのですが……舞台挨拶で金城さん、ネタバレ(-_-;)

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コラム, 歴史物・偉人物映画          

Vol.35 『宇宙戦艦ヤマト』

劇場版 宇宙戦艦ヤマト DVDメモリアルボックス観賞映画振り返りコラム8回目は『宇宙戦艦ヤマト』。テレビ放映時には裏番組に『アルプスの少女ハイジ』や『猿の軍団』があって視聴率が伸び悩み、途中で打ち切り。その後、再放送で火がついて……などというのはずいぶん後から聞いた話で、テレビの初放映時からずっと好きで観ていたので、映画館で観られるというのが本当にうれしかった作品。確か上野の東急で観たと記憶しています。
劇場版ができたころには人気が高くなっていたのは理解していましたが、まさか徹夜組まで現れるとは思いもしませんでしたね。この映画がきっかけでアニメが市民権を得て、その後のアニメブームにつながったと言われていますが、この作品ではなく、次の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』がその引き金であったと私は認識しています。それも他の要素がからまってというのが正解かなと。

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コラム, 劇場版アニメ・イベント上映          

Vol.34 『旭山動物園物語 ~ペンギンが空をとぶ~』

旭山動物園 空飛ぶペンギンマスコミ試写にて『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』観賞。いまや上野動物園を上回り、日本一の入場者数を誇る動物園として知らない人は少ないであろう旭山動物園物語のサクセス・ストーリーを描いた映画。これまでもテレビドラマやドキュメンタリーで取り上げられていますね。
今回の映画は旭山動物園の歩みをずっと見てきた小菅園長の原案を映画化しています。そのため、これまでの映像作品が、ペンギン館あざらし館、あるいはペンギンの散歩などの行動展示がどのように生まれたかに重点が置かれているのに対し、この作品では、入場者数減少やエキノコックス症による途中閉園などの動物園が廃園になるかも知れないという危機的状況を、どのように乗り切ってきたかが描かれています。

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コラム, ヒューマンドラマ          

Vol.33 『犬神家の一族』

犬神家の一族 [DVD]観賞映画振り返りコラム7回目は『犬神家の一族』。1976年版の、角川映画第1弾。初めて自分でお金を出して観に行ったのがこの映画です。当時、江戸川乱歩やアガサ・クリスティ、横溝正史といった推理小説をかたっぱしからよみあさっていて、この『犬神家の一族』が映画化されるということで非常に楽しみにしていました。
この映画がきっかけとなり、横溝正史ブームが起こり、映画会社各社がこぞって長編小説を映画化したのは周知のところ。金田一耕助も、この『犬神家の一族』の石坂浩二さん、『八つ墓村』の渥美清さん、『悪魔が来りて笛を吹く』の西田敏行さんと様々な役者が演じていますが、やはりこのあと4本を演じることとなる石坂浩二さんというのが一般的には印象が強いのではないでしょうか。個人的にはテレビの『横溝正史シリーズ』の古谷一行さんがいちばん原作のイメージに合っていると思うのですが。

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コラム, 推理小説・ミステリー映画          

Vol.32 『K-20 怪人二十面相・伝』

K-20 怪人二十面相・伝 公式ガイドブックTOHOシネマズにて『K-20 怪人二十面相・伝』観賞。言わずと知れた怪人二十面相をまったく別な角度から描いた、VFXアクションムービー。初めて予告編を観たときから注目していて、試写会に行くチャンスもあったのに仕事で行けず。ようやく公開初日に観ることができました。
ワイヤーアクションばりばりのアクションシーン、『ALWAYS 三丁目の夕日』のスタッフが結集したVFXは見事。『ALWAYS 三丁目の夕日』を経て、CGは格段に技術が上がりましたね。架空の帝都の表現など、ロケとCGの組み合わせで描かれた世界はかなりのリアリティがありました。
各キャラクターの個性などもうまく表現されていて、それぞれにコミカルなシーンもあり、楽しむことができました。が、

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コラム, 推理小説・ミステリー映画          

Vol.31 『WALL・E/ウォーリー』

ウォーリーTOHOシネマズにて『WALL・E/ウォーリー』観賞。フルCGで作成されたピクサーの新作。29世紀、人類のいなくなった地球で唯一稼働し続けるゴミ処理ロボット・ウォーリーと、ある使命を帯びて地球を訪れたロボット・イブの繰り広げるハートフルストーリー。
お話しとしては安心して見ていられる、ディズニー映画としては王道を行く話とでも言えばいいでしょうか。その安心感がゆえに、後半のチェイスシーン(と言えばいいのかな?)などでもハラハラすることもなく、最初から最後までゆったりした気持ちで観られるのがプラスなのか、マイナスなのか……。
本作の紹介ではよくこれまでの映画のオマージュが云々という文章を目にしますが、確かによく言えばオマージュ。『2001年宇宙の旅』『サイレントランニング』

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SF映画, コラム          

Vol.30 『チョコレート・アンダーグラウンド』

チョコレート・アンダーグラウンドマスコミ試写にて『チョコレート・アンダーグラウンド』観賞。携帯向けおよびインターネットアニメとして製作された作品に新作カットを加え、16:9の劇場向けとしてリファインしたアニメ。アニメーションの製作はプロダクションI.G.とトランスアーツですから、ビジュアルのクォリティはもう折り紙付きといっていいでしょう。ただ、これを携帯で観たら絵が細かすぎないんですかねぇ(^_^;)
独裁政権である健全健康党により発令された“チョコレート禁止法”。チョコレートの製造・販売・飲食、すべてが禁止され、法を破った者は投獄され、厳しく罰される……。大人たちは処罰を恐れ、抵抗する気力もなく、政府の言うがままの生活を送っている。こんなのおかしい! 2人の少年は、抵抗しない大人たちに代わり、政府に戦いを挑むのだった……。
簡単に書くとこのようなストーリー。

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コラム, 劇場版アニメ・イベント上映          

Vol.29 『スヌーピーとチャーリー』

スヌーピーとチャーリー観賞映画振り返りコラム6回目は『スヌーピーとチャーリー』。1976年のリバイバル上映時に有楽町スバル座で観賞。弟を連れて横浜の親戚の家に泊まりに行ったら、明日は映画を観ようという話をされ、伯母に連れられて従兄弟二人とともに観た映画。私には20人以上の従兄弟がいますが、同い年の従兄弟はたった一人で、それがこの横浜の従兄弟。彼がスヌーピーのファンでこの映画を観るということになりました。
スヌーピー。その存在はもちろん知ってましたが、個人的にはまったく興味がなく、映画はおろか、アニメになっていることすら知りませんでした。なので、まったく知識なく観ました。

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コラム, 劇場版アニメ・イベント上映          

Vol.28 『007/慰めの報酬』

Quantum of Solaceサロンパス ルーブル丸の内での完成披露試写会にて『007/慰めの報酬』を観賞。前作『007/カジノ・ロワイヤル』のラストシーンの1時間後から始まる、シリーズ初の連続作品。ジェームズ・ボンド役は前作に引き続きダニエル・クレイグ。
007シリーズは劇場、テレビ、DVDで全作品観ていますが、個人的には『007/カジノ・ロワイヤル』からはまったくの新シリーズだと受け止めています。初代ショーン・コネリーから脈々と踏襲してきたボンドの設定にとらわれず、とても人間くさいボンドが描かれています。
そもそも1960年代とは国際的な構造が違うし、技術の発展や価値観なども大きく異なるわけで、それをずっと続けるのはどこかで無理が生じますよね。

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コラム, スパイアクション映画          

Vol.27 『JAWS/ジョーズ』

JAWS/ジョーズ観賞映画振り返りコラム5回目は『JAWS/ジョーズ』。これもどこで誰と観たのか定かではないのですが、1975年の公開時に観ました。気に入った作品は何度でも観るので、後年、1982年か1983年に上野の名画座で再度観賞したこともあります。
前回のコラムの『タワーリング・インフェルノ』同様、もはや説明する必要がないこの作品はスピルバーグの名前を一気に広めた出世作。公開時の配収は50億円を超える大ヒットとなり、この記録は同じくスピルバーグの『E.T.』が登場するまで破られませんでした。
そのヒットもあって、テレビでの初放映時にテレビ局が支払った放映料は25億円とも言われています。この放映料、1980年のモスクワオリンピックに匹敵する金額。ビデオなどの録画装置が普及していなかったからこそのエピソードですね。

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コラム, パニック・ディザスター映画          

Vol.26 『タワーリング・インフェルノ』

タワーリング・インフェルノ観賞映画振り返りコラムの4回目にしてようやく特撮やアニメ以外の映画が登場。『タワーリング・インフェルノ』。1975年の夏に丸の内ピカデリーか松竹セントラルのどちらかで観たはずなんですが、どちらで観たのか、誰に連れられていったのかも覚えてません。当時流行っていたパニック映画の中でも指折りの名作で、もはや解説の必要はないぐらい有名な作品ですね。
ポール・ニューマン、スティーブ・マックィーンをはじめとする超豪華なキャストで作られた映画ですが、当時、キャストに対する思い入れはそれほどなく、『大脱走』の人が出ているぐらいの認識しかありませんでした。他にもウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、ロバート・ワグナー、リチャード・チェンバレン、ロバート・ボーン、フレッド・アステアらが出演していたわけですが、キャストの実績を知らずに観て印象的だったのが

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コラム, パニック・ディザスター映画