『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』本日最終回1時間スペシャル放送! 梅原裕一郎さん×小野友樹さん対談インタビュー
好評放送中のTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』。
その本日放送される最終回1時間スペシャルのあらすじ・先行カットが届きました。
また、ユーグラム・ハッシュヴァルト役・梅原裕一郎さん×バズビー役・小野友樹さんの対談インタビューが届きました。
●最終回1時間スペシャル先行カット&あらすじ
死神と滅却師、一護と雨竜、覚悟と誇り――
訣別の先、相剋の末へと物語は進んでいく。
恋次を射貫き、真世界城(ヴァールヴェルト)へ戻っていた雨竜。
そこに踏み入り声をかけるのは、様子が異なるハッシュヴァルトだった。
かたや、死神たちは、京楽が切り開いた活路を信じ、真世界城(ヴァールヴェルト)の本殿へと急ぐ。
その行く手を阻むのは、ジェラルド・ヴァルキリー。
攻撃を重ね、畳みかける護廷十三隊隊長格を前に不利な状況に置かれるジェラルドだが、その表情にはどこか余裕が存在し、危機に瀕して起きてこそ「奇跡」なのだと口にする。
一方、一護や織姫、茶渡たちは、アスキン・ナックルヴァールの能力により霊子中毒に追い込まれていた。
助けに入った四楓院夜一にアスキンとの戦いを任せ、一護は駆ける。
すべては一つに繋がっていく。
苛烈な死戦をくぐり抜け辿り着いたその先で、一護の瞳に映るのは――
●梅原裕一郎さん×小野友樹さん対談インタビュー
――『BLEACH』で好きなキャラクターを教えてください。
梅原さん:ユーハバッハです。ハッシュヴァルトにとって重要なキャラクターですし、僕としても菅生さん(ユーハバッハ役の菅生隆之さん)とアフレコでご一緒させていただく機会が何度かあったので印象に残っています。作中では、一護の前に立ちはだかる強大な敵ですが、菅生さんのお芝居からは、“ユーハバッハに対する深い愛”を感じます。ユーハバッハそのものの言動はどれも恐ろしくて、優しさは微塵も感じないのですが(笑)。それでも、手段を選ばない行動、発する言葉のすべてに菅生さんの愛と説得力を感じます。
小野さん:僕にとって、『BLEACH』の好きなキャラクターとして絶対に揺るがないのは一護です。以前、第2クールのインタビューで雨竜が好きと答えましたが、養成所時代に雨竜でアテレコの練習をした思い出も含めて雨竜を挙げさせていただきました。もちろん雨竜も大好きなキャラクターの一人というのは間違いないですが、一護は、僕の中で他に比べられる存在がいないと思えるほど、『BLEACH』のなかでの唯一無二のスーパーヒーローです。一護の在り方、考え方、振る舞い方、愛され方、それらすべてをひっくるめて“これこそがヒーローだ”と思える一護に憧れます。
――『BLEACH』のセリフで惹かれたものを教えてください。
小野さん:一護の「俺以外の誰かにできたとしても 俺がやらずに逃げていい理由にはならねえんだよ!」(コミックス68巻618話)です。まさに“ヒーロー”のような、主人公のお手本のようなセリフで、すごく印象に残っています。バズビー役のオーディションをやらせていただくことが決まって、改めて『BLEACH』を読み返してこのセリフを読んだときには、「やっぱり、一護はこれだ!」という気持ちになりましたね。
梅原さん:僕は何気ないシーンではありますが、バズビーが背後からナジャークープを攻撃した後の「……どういう事だい」(コミックス69巻623話)という京楽のセリフです。それまで敵対していた相手を前に肩を落とすような、力の抜けた空気になる緩急を明夫さん(京楽春水役の大塚明夫さん)のお芝居から感じて、それがすごく好きで印象に残っています。
小野さん:明夫さんが演じられる京楽は“京楽すぎる”よね(笑)。僕も「……ちょっと…… 休憩してからにしようか………」(コミックス72巻654話)という一言にぞっとしました。“あらゆる感情や状況がすべて声に乗っているわけではないのに、声ですべてを表している”というのを感じました。
――小林千晃さん(バズ役)と井上麻里奈さん(ユーゴー役)の演技をご覧になった感想をお聞かせ下さい。
小野さん:正直なところ、映像を見るまでは「千晃がバズビーを演じるのでは、声が可愛すぎではありませんか~」と少し懐疑的に思っていましたが、14歳頃のバズビーの声を聴いて仰天しました。特に声を張るシーンは「僕が録ったっけ?」と思えるくらいに、僕が若い時の声と同じで、二度見ならぬ“二度聴き”しました。
梅原さん:井上さんが演じられたハッシュヴァルトは、当時の “自己肯定感が低い”という闇を抱えているハッシュヴァルトと、そこからバズビーに出会って徐々に救われ、心を開いていったハッシュヴァルト、その両方がすごく伝わってきました。
――バズビーとハッシュヴァルトの関係性を言葉で表すなら、なんと表しますか?
梅原さん:掛け違いというか、すれ違いというか……。幼少期のハッシュヴァルトにとって、バズビーは自身の存在理由になっていたのだと思います。“この人と一緒なら生きていける”“この人なら自分を認めてくれる”という存在だったけれど、ユーハバッハが二人の前に現れたことによって関係性が変わって、ハッシュヴァルトにとってユーハバッハが存在価値を与えてくれる人になってしまった。そして、“分け与える力”がバズビーの力を高めていたという残酷な事実を知り、それがさらなるすれ違いを引き起こしてしまった。きっとハッシュヴァルトは、バズビーならどんな自分も受け入れてくれると思っていたのではないでしょうか。ただ、バズビーはそうではなかった。そのことが、どんどんすれ違いを加速させてしまった、そういう拗れたものだと思います。
小野さん:言葉にできない関係性ですし、言葉にするのは少し野暮かもしれませんが、強いて言うなら“宿命”だと思います。生まれや育ち、そこからの時間といった“描かれているすべての時間”が二人それぞれの感情や生き方を表していて、その他の人生の描写がないがゆえに、すべてが“宿命”だと、誰よりも切ない関係だと思います。
――第38話ではバズビーとハッシュヴァルトの過去が明らかになりましたが、第38話を演じるまで、バズビーとハッシュヴァルトの過去をどのあたりまで意識して演じていましたか?
梅原さん:これまでもハッシュヴァルトの心の片隅にはバズビーの存在があったと思いますし、映像で「二人の間に何かありそう」という演出もありましたが、“声”ではそれを出さないほうが正解だろうと思って演じていました。後に描かれる石田雨竜とのシーンで、色々な想いが出て過去がすべて清算されるのかなと思うので、ハッシュヴァルトのキャラクターがブレないように、彼の“想い”は出さずに演じました。
小野さん:僕はものすごく意識していました。ただ、「何でだ」「気に食わねぇ」という気持ちはバズビーの根底にずっとありつつも、挑発度合いやタイミングは考えられるキャラクターなので、なりふり構わず挑発するわけではないという“バランス”を大事にしていました。制作の方々もそれを意識されていたのか、熱量を出し過ぎ、もう少し勢いが欲しい、というような“バランス”に関するディレクションが多かった気がします。
――第38話を演じ終えて、改めてご感想をお聞かせください。
小野さん:バズビーがどんなに挑発しても、物語的にハッシュヴァルトが絶対に乗ってこないことはわかっていましたが、僕の中では闘志むき出しで「心の中は動かしてやる」と訴えかけながら演じました。
梅原さん:僕もバズビーの熱量をキャッチしたくなってしまうので、乗らないようにしなければと意識していました。でも、あのバズビーの熱量はおのゆーさんにしかできないな、と一緒にアフレコをしていて思いました。
小野さん:嬉しいですね。声優としてマイク前ではセリフでしか語れないので、「ここはこういう想いで演じる」というような演技プランを話すことはありませんが、そういった言葉を交わさずとも訴えかけていた熱量を届けられていたんだ、と今答え合わせができました。「おのゆーさんにしかできない」なんて、バズビー役としてこれ以上ない褒め言葉なので嬉しいです。僕からも、ハッシュヴァルトは梅ちゃんでよかったなと思います。
――お互いに訊きたいこと・言いたいことはありますか?
小野さん:梅ちゃんはハッシュヴァルトを演じていて何回声が枯れた?
梅原さん:枯れてないですよ。
小野さん:ですよね? 僕にも聞いて(笑)?
梅原さん:バズビーを演じて何回枯れましたか?
小野さん:4回だよ。梅ちゃん……、もっとしっかりやってよ~!
梅原さん:いやいや、キャラクターの違いがあるじゃないですか(笑)。
ハッシュヴァルトが急に熱血キャラになったらおかしいですよ。
小野さん:(笑)。
梅原さん:第38話以降にも少し熱が上がるシーンがあるのですが、キャラクターの印象を変えずにどこまで熱量を出すかがかなり難しかったです。だから、ディレクションも細かくいただきました。
小野さん:バズビーの想いを継いで、声を枯らすほど叫んでほしかったな~。
梅原さん:第38話以降から急にですか?(笑)。
小野さん:僕から梅ちゃんに“喉を枯らせ”という想いを託したのに(笑)。
梅原さん:どんな想いですか(笑)。僕からおのゆーさんへの質問です。おのゆーさんにはバズビーとハッシュヴァルトのようにすれ違ってしまった関係性の人はいますか?
小野さん:基本的に僕は、「誰しもが一度は誰かとすれ違っている」という考え方です。バズビーとハッシュヴァルトのように浮き彫りになるかならないかの違いはありますが。それに、今すれ違っていても、数年後に再び交われることもある。一護みたいに、あのとき対立した人が逆に助けてくれたという経験が僕の人生にもあるので、“今すれ違っている人とこの先もずっとすれ違ったまま”という考え方にはならないです。でもこの価値観は、梅ちゃんの質問に答えようとして、言語化してみて初めて気づきました。梅ちゃんはどうなの?
梅原さん:僕は、すれ違ったなと思えるほど深く関わらないかも……。最初から無意識に平行線を保っているかもしれない。
小野さん:はっきり言える梅ちゃんの在り方と、そういう角度の生き方がいいね。
――最後に、ファンに一言お願いします。
小野さん:バズビーとして生きることができて嬉しかったです。バズビーの最期をご覧になられた方には伝わっていたらと思うのですが、持っているものをすべて出し切りました。あとはバズビー役として、“想い”をぶつけたハッシュヴァルトの行く末を見守り、一人の『BLEACH』ファンとしても、物語の最後までを皆さんと一緒に見守りたいなと思います。
梅原さん:ここまでアニメ『BLEACH』をご覧いただきありがとうございます。ハッシュヴァルトとして、「相剋譚」で一つの山場を越えたなという気持ちと、もう戻れないところまできてしまったなという気持ちがあります。ただ、これからまだまだ活躍の場面がありますので、全力を尽くして演じさせていただきたいと思います。ぜひ物語の最後までお付き合いください。
※インタビューフルバージョンは公式サイトご参照ください。
公式サイト:https://bleach-anime.com/
公式Twitter:@BLEACHanimation
©久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
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