『ささやくように恋を唄う』第5話 百々花の“好き”についての考えを聞いたひまり
好評放送中のTVアニメ『ささやくように恋を唄う』。
その第5話の場面カットが届きました。
また、筒井真理役 小原好美さんへのインタビューも掲載しています。
●第5話「帰り道、出会いと、約束。」
ひまりが料理研究部に入ったことで、百々花に先輩としての立場をうばわれるのではと不安を露にする依。
一方ひまりは亜季から、依のことが恋愛として“好き”だと想いを伝えられる。その一言で恋について再び悩みだしたひまりは、その心の内を百々花に相談する。そして、百々花の“好き”についての考えを聞いたひまりは――。
●「ささ恋インタビュー」筒井真理役 小原好美さん
本作の魅力をキャストへの取材を通して掘り下げていく「ささ恋インタビュー」がスタート。第4回は、筒井真理役の小原好美さんに、SSGIRLSのドラムを担当し、バンドメンバーの香織と絶妙なコンビネーション(?)を見せながら、依を支える真理について伺いました。
――原作をご覧になったときの第一印象はいかがでしたか?
小原好美さん:表紙をひと目見て、とても綺麗な色だなと思ったのが最初の感想でした。明るく柔らかい色で、とても爽やかに見えたんです。爽やかな感情以外も描かれるので、そういう部分を表現することもできると思うんですが、私はこの色になったのが素敵だなと感じて。アニメではこの色彩がどう表現されるのか、とても楽しみでした。それから、同性を好きになることが、異性を好きになることとなんら変わらないものとして描かれているのもいいなと思いました。依がひまりを好きになったことを、真理たちは当たり前の恋として受け入れている。恋の話で盛り上がることはあっても、変にいじることはないんです。理想的な世界だなと思いました。
――小原さんが演じられる真理についてはどんな女の子だと思いましたか?
小原さん:初めてジャンクフードを食べたのが高校生になってからと聞いたときは、「どんなお嬢様!?」って驚きました。人の名前を呼ぶときも、なぜかフルネーム。自分も誰かをフルネームで呼べるか、心の中で試してみたんですが……いや~無理でした! 各キャストさんをフルネームで呼べるか? 小松未可子……呼べない!って(笑)。
――(笑)。そういう意味では、小原さんと真理はあまり似ていない感じですか?
小原さん:そうですね。私はどの役を演じるにしても共感できるところを探すんですが、どこも私とリンクしそうになかったので、これは相当読み込まないといけないぞと覚悟しました。そう思っていたら、真理って意外と他人に興味津々なんですよね。恋愛に興味がなさそうな雰囲気を漂わせているのに、「はっきりなさいな朝凪依」みたいな感じで実はぐいぐいいくタイプなんです。そういう部分にすごく親しみを覚えました。
――真理はお嬢様ではありますが、確かに親しみやすさが感じられます。
小原さん:第1話で香織に「まーちゃんはお金持ちだもんねー」と言われて、「まあね」と答えるくらいにはお金持ちなんですが、お高くとまっている感はなく、みんなと分け隔てなく接しているんです。きっと、人が好きなんだと思います。そういう部分は私も似ているなと感じましたし、そう思ってからは真理のことが掴みやすくなりました。
――真理もまた等身大の女子高生だったと。
小原さん:そうですね。みんなにそれぞれ特徴があるんですが、真理も特徴があるだけで普通の女子高生なんだと思えたら、すっと役に入っていけました。ただ、SSGILSの中ではテンションの幅が狭いんです。びっくりして目を開くということもなく、表情が基本的に一定なので、通常モードと喜んでいるモードをどう表現しようかというのは考えました。
――音響監督さんと何かご相談されたことはありますか?
小原さん:特に第1、2話は、キャスト陣の中で私が一番ディレクションをいただいたかもしれません。そのままの声だとちょっとかわいらしい印象が強いから、少し低めの声でお願いします、と。そういう意味で最初は、真理になるのは少し苦戦しました。第1、2話で方向性が固まってからは、「小原さんは真理になっているので、自由にやってください」とおっしゃっていただけたので、自分の思う素直な真理を演じられています。
――真理は香織とのコンビもおもしろいなと思いました。
小原さん:お約束の関係ですよね。「ひとめぼれなんて、ほんとにあるものかしら?」という真理に、香織が「まーちゃんに毎日ひとめぼれしてるよ~っ」とハグをしてきて、嫌々あしらう(第2話)。このお決まりの流れがすごく好きです。
――ベタベタしてくる香織、邪険に扱う真理の掛け合いは見ていて微笑ましいです。
小原さん:キャストが決まったときに、アフレコがすごく楽しみになったんです。共演する機会の多い小松さんと加隈(亜衣)さんの名前があり、特に加隈さんとは何度も共演していて、プライベートでも仲良くさせていただいているので。真理にとって一番のパートナーとも言える香織が加隈さんなら、お芝居もやりやすいだろうなという期待感がありました。
――実際に掛け合ってみて、いかがでしたか?
小原さん:加隈さんのかわいらしい声は、どのキャラクターのお芝居にもハマるので、安心感があります。掛け合いながら改めて魅力的な声だなと思いましたし、そのおかげで真理と同じ感覚になれたような気がします。ただ、私と真理で大きく違うのは、私は加隈さんを邪険に扱ったりしないことですね! むしろ子犬のように「はい、はい、そうなんですね!」って、はしゃいじゃうほうです(笑)。
――香織についてはどんな女の子だと思いますか?
小原さん:この作品に出てくる子はみんな素直な子ばかりですが、その中でも香織はいつもニコニコしていて、まったく裏がなさそうなんですよね。それが真理とのいいバランスになっていて。原作を読ませていただいたときも、アフレコで掛け合いをしているときも、SSGIRLSが和やかなのは香織の力も大きいんだろうなと感じました。
――ひまり、依、亜季の気持ちが複雑に絡み合う中で、真理と香織はなんとなく安心して見ていられます。
小原さん:現状、二人はそれぞれの関係を見守りながら漫才をしているポジションなので(笑)、癒し枠に近いかもしれないです。
――小原さんからご覧になった依とひまりについてはいかですか?
小原さん:依は、SSGIRLSとは気心の知れた友達という感じなんですが、ひまりを前にした途端、ときめいた状態になって少しトーンが変わるのが微笑ましいです。依が心の繊細な部分を紡いでいくイメージだとしたら、対象的にひまりは天然さんのイメージ。そんなつもりじゃなくても、そう見えてしまう魔性が感じられます。とにかく何をやってもかわいいので、どこか推しをみているような感覚です。
――依のほうがドギマギさせられっぱなしですよね。
小原さん:一つ一つの言葉に敏感に反応する依はまさに恋する女の子で、見ているこちらもドキドキしてきます。これは瀬戸(麻沙美)さんのお芝居が素晴らしいからでもあります。瀬戸さんが演じることでより人間味が増した感じがして、私もこういう繊細な表現をしてみたいなと思わされました。
――一方、亜季は第4話のラストで「依、あたしがもらっちゃってもいいの?」と、ひまりに依のことが好きだと明かしました。
小原さん:10代の頃は、恋路を邪魔するじゃないですけど、いい感じの二人に割って入ろうとするキャラクターが少し苦手だったんです。でも、この年代になると物語の面白味がぐんと増すなと思うようになって、今は「いよいよきましたね……!」と勝手に盛り上がっています(笑)。きっと視聴者の方は今頃ドキドキされていると思いますが、キャストの特権として一足先にワクワクさせていただきました。このちょっとした他人事感も、我ながら真理っぽいなと思います。
――(笑)。確かに、近くにいるのに外から楽しんでいるような。
小原さん:真理は作中だと何も知らないんですが、私は「いい展開になってきたわね!」と思いながら楽しんでいます(笑)。
――第4話までを振り返って、特に印象に残っているシーンを教えていただけますか?
小原さん:第1話で依の歌声に“ひとめぼれ”したひまりが、昇降口で依と鉢合わせするまでのシーンですね。
――鉢合わせして、ひまりが“ひとめぼれ”したと伝えるシーンではなく?
小原さん:そこから物語が始まるので、確かに印象には残るんです。でも、私はどちらかというとまだ何も始まっていない、ただ同じ高校に通っている女子高生二人がすれ違い、二人の世界が変わるまでが好きなんです。ものすごく盛り上がる音楽が流れているわけでもなければ、二人が何か話しているわけでもないのに、何か予感めいたものが感じられて、とても素敵な瞬間でした。
――では、皆さんに伺っているのですが、「高校時代によく聴いていた音楽」やその思い出について教えていただけますか?
小原さん:音楽についてはかなりミーハーなので、流行っている曲を聴くというパターンが多かったです。その中でも思い出深いのは、父の影響でよく聴いていた杉山清貴&オメガトライブさんですね。ドライブのときによく流れていたというのもありますし、学生の頃から昔のものに憧れる傾向があって、よく聴いていました。
――最近、何か“ひとめぼれ”した人やものはありますか?
小原さん:好きなハンドメイド作家さんがいるんです。海外で買い付けたお洋服をリメイクして販売されている方なんですが、その方がお洋服を京都で販売されると聞いたので、調べてみたらある商品に“ひとめぼれ”してしまって。しかも、当日はオフの日だったんです。手に入るかどうかもわからないお洋服のために京都まで行くのってどうなんだろうと思ったんですが、前日も早い時間に仕事が終わることがわかったので、前乗りで京都に行きました。
――その服は買えたんですか?
小原さん:買えました! 1着のために京都まで一人旅するのは自分でもどうかと思いますが(笑)、行きたかった観光地も回れて、いろいろなものを吸収できたので、行ってよかったです。
――すごい行動力ですね!
小原さん:思い立ったら即行動派なんです。話は変わりますが、声優になると決めたときもすぐ行動しました。私はもともと役者をやっていて、そこから声優の道に進もうと思ったんです。そのときは、声優のオーディションを受けるならラストチャンスだと勝手に思って、当時所属していた事務所をやめ、なんの伝手もないまま声優事務所のオーディションを受けました。その話を家族に伝えたときに、母親から「あんたは本当に思い立ったらすぐ行動しちゃうのね」と言われたのをよく覚えています(笑)。小さい頃からそういうタイプだったみたいです。
――ありがとうございます。では最後に、第5話以降の見どころや小原さんご自身が期待しているポイントを教えていただけますでしょうか。
小原さん:依がSSGIRLSに加入したことでバンドの練習も増え、その先にはライブも待っています。音楽に打ち込む姿がアニメーションとしてどのように表現されているのか、一視聴者としても楽しみにしています。バンドに加入した依、料理研究部に入部したひまりと、恋愛以外の学生生活の描写も増えていくので、今学生の方も、かつて学生だった方も、どこか刺さる部分があるんじゃないかなと思います。
公式サイト:https://sasakoi-anime.com/
公式Twitter:@sasakoi_anime
©竹嶋えく・一迅社/ささやくように恋を唄う製作委員会
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