『恋は世界征服のあとで』宝条闇奈役・佐倉綾音さんインタビュー“後編”公開
好評放送中のTVアニメ『恋は世界征服のあとで』。
本作に宝条闇奈役で出演している佐倉綾音さんのオフィシャルインタビューの後編が届きました。
なお、このインタビューは第8話のネタバレが含まれるので視聴後にお読みください。
――第8話でついに、佐倉綾音さんが演じる宝条闇奈が、実は秘密結社ゲッコーの灼熱王女であることが明かされましたね。しかも、相川不動/レッドジェラートに想いを寄せているのかと思いきや、禍原デス美/死神王女のことが好きだったという展開にも驚かされました。
佐倉さん:そうなんです。ここまでご覧になった皆さんは、やっといろんな違和感が解けたのではないでしょうか?(笑) クレジットではずっと灼熱の声が「???」となっていましたが、一応ちゃんと声を当てておりまして。ようやく第8話で本領発揮できて、すごく楽しかったです。
私自身、「闇奈が好きなのは不動ではなく、デス美だった」というのは、非常に望んでいた展開でした。原作を読んだときも、最初は完全に騙されて「これ以上、不動を好きな人が増えなくてもいいんじゃないかな……?」と思っていたんですよ。なので、闇奈の本心を知ったときは、「こういうのを求めていました!」と心の中でガッツポーズしました(笑) こういうギミックっておもしろいですよね。仕掛けが二重に施されていて驚かされますし、この作品やキャラクターがさらに好きになれる気がします。
オーディション原稿にも第8話のセリフが盛り込まれていたので、「これを演じることができたら楽しいだろうな」と思いながらオーディションテープを録ったのを覚えています。本当に念願の第8話でした。原作を読まずにアニメから楽しまれてる方が騙されてくれていたらうれしいです。
――闇奈と灼熱王女とを演じ分ける点で、意識されたことはありますか?
佐倉さん:演じ分けと言われると、うーん……(笑)。ただ、灼熱の方が何も考えずに演じられていた気がしますね。収録は、こもった音を再現するために、息がクリアにマイクへと当たらないよう、マスクをしながらやっているんです。しかも、灼熱は感情も見えないので、正解がまったくわからなくて。一応、「この『シュコオオオ』は同意をしてるのかな?」とか「ここは何か思案しているのかな?」、「本当に何も考えていない瞬間なのかな?」と、自分なりにそのときどきの灼熱の心情を考えてはいたのですが……結局、出た音は全部同じだったと思いますね(笑) 皆さんにも、灼熱の心の機微を感じてもらえたらいいなと思っていますけど……それはさすがに難易度が高いかもしれません。
――アフレコ中、佐倉さんが冗談交じりに「灼熱王女の息の音は、もはや本山哲音響監督がやった方がいいのでは……?」とこぼしていたのがおもしろかったと、スタッフの方が言っていました(笑)
佐倉さん:冗談ではありましたけど、半分くらいは本気で思っていましたよ! だって、セリフは「シュコオオオ」ですし、さらにその音が実際に使われるときには加工もかかっちゃいますし。これでギャラをいただくのが忍びなくて……(笑)
ただ、声優って、“いつか使うかもしれない音”を自分の中に引き出しとして持っているもので。みんながみんなそうなのかはわかりませんが、TVから流れてきた自然の音や、動物の鳴き声を、自分の身体で再現できるか、お風呂場とかで練習したりするんですよ。私もよくそれをやっていて。でも、特に女性声優は実際にその音を現場で使うことってほとんどないんです。だから、“一生使うことのない音の引き出し”を、私も含め声優さんはいっぱい持っているんですよね。そういう意味では今回、普段はなかなか開けることのない引き出しを開けて、マイク前で演じられたというのはすごくありがたかったです。演じていて楽しくはあったんですが……それでもやっぱり、「シュコオオオ」に手ごたえはほとんど感じられませんでした(笑)。
――第8話での闇奈の行動を、佐倉さんはどう感じていましたか?
佐倉さん:闇奈がデス美を好きだと明かされるまでの、彼女の不動に対する態度は、「そりゃ勘違いされるよな」と思いました(笑) 鈍感な不動でさえも、デス美に言われて「なるほど、俺のことが好きなのか」と納得するくらいなので、闇奈と不動は相当すれ違っていましたね。共通点は「デス美が好き」ということぐらいで、なかなか交わることのない二人のバランスがおもしろかったです。
――では、闇奈が想いを寄せるデス美の印象はいかがですか?
佐倉さん:デス美は一見すると融通が利かないところもありますけど、原作を読んでいても、彼女がモテる理由がわかるなと思います。読者の楽しいところって、デス美が一人で考えごとをしている様子を全部見られるところだと思うんですが、そういう部分も含めて好きになれる魅力がある子だな、と。私としても、闇奈が惹かれる理由はとてもよくわかるし、女子から見てもかわいい女の子だと感じますね。
――闇奈のライバル的存在である不動について、佐倉さんが認める彼のいいところを教えてください。
佐倉さん:つい応援したくなる性格をしているところでしょうか。不動みたいな、いわゆる“猪突猛進系の主人公”って、見ている側が「なんでそうなるの⁉」とツッコみたくなるような行動をすることが多くて。不動も例に漏れず、そういうこともしますけど、それでもこちら側をイライラさせないと言いますか(笑) 「まったく、不動はしょうがないな、もう」って思わせられるのが、彼のいいところだと思います。デス美に対してとにかく一途だからなのかな? 「まっすぐだから許される」だけではない彼の好感の高さは、不思議な魅力ですね。
――さて、第8話ではデス美への想いが強すぎて闇奈は暴走してしまいましたが、そんな彼女にちなんで、佐倉さんの“つい暴走してしまうほど好きなもの”を教えてください。
佐倉さん:洋服が大好きなんです。今、家の一部屋を丸ごと、服を置く場所にしてるんですが、7畳くらいあるスペースが全部埋まってしまっていて。ラックを新しく買ってもすぐ満杯になっちゃうし、もう1年間毎日違う服を着られるくらいの枚数を持っていますね。こんなにあっても仕方ないと自分でもわかっているし、親にも怒られるんですけど……服との出会いは一期一会だという思いが強すぎて、どうしてもやめられないんです。
ちなみに買うときは、通販で買うことが多いです。お店で買うこともあるのですが、通販サイトを見ていて気になった服を「実物を見てみたい!」というだけで買ってしまったり。あと、「このコロナ禍でデザイナーさんは大変だろうな」と、デザイナーさんに課金する意味も含めて買ったりもします。知り合いのデザイナーさんに話を聞くと、やっぱりコロナ禍でみんな外出を控えているから、服を買う人も減っているらしくて。そう聞くと、つい使命感にかられてしまうんですよね、「経済回すぞ!」って(笑) 以前、好きなデザイナーさんの展示会に行ったときには、「地方のバイヤーさんでもそんなに買いませんよ!」と驚かれてしまいました……。理性のリミッターが外れて暴走するってこういうことなんだろうなと、自分のことながら思っています。
――インパクト大のエピソードをありがとうございました。では最後に、読者へメッセージをお願いします。
佐倉さん:私としては、闇奈の本心と正体が判明して「ここからが楽しくなってまいりました!」という気持ちです。不動とデス美のロミオとジュリエットを楽しむ中で、また別のロミオとジュリエットが始まったかのような感覚で、闇奈とデス美の関係値を見守っていただけたらと思います。そしてもちろん、引き続き、不動とデス美の関係性も応援してもらえたらうれしいです。
公式サイト:https://koiseka-anime.com/
公式Twitter:@koiseka_anime
©野田宏・若松卓宏・講談社/恋せか製作委員会
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