『殺し愛』下野紘さん&前野智昭さんオフィシャルインタビュー#3が公開
好評放送中のTVアニメ『殺し愛』。
1月26日に放送された第3話の魅力を、下野紘さん&前野智昭さんが語るオフィシャルインタビューが公開されました。
●その男、ホー……過激で危険なのに、どこか憎めない
――前野さんは、最初に本作に触れたとき、どんな印象をお持ちになりましたか?
前野さん:メインキャラクターもそれ以外のキャラクターも、それぞれミステリアスな部分が多く、そのバックボーンを探るのが楽しい作品だなと感じました。ストーリーも先の展開が予想できなくて、今まで培ってきた知識で先読みしようとすると、いい意味で裏切られていく感じがとても斬新でおもしろかったです。
――ホーに関してはどんなキャラクターだと思いましたか?
前野さん:リャンハとは過去に因縁があり、彼への復讐心で行動しています。見た感じは危険な香りを漂わせていますが、自分が信じる者への揺るぎない信頼があって、登場人物のなかでも特に強い信念に基づいて行動している、非常にまっすぐな性格のキャラクターです。言い換えると、目的のために手段を選ばない残酷な性格でもあるんですけどね。
下野さん:すごく人間的だよね。
前野さん:そうなんですよ。シャトーもリャンハも感情をあらわにするタイプじゃないので、ホーがすごく感情的に見えるという(笑)。序盤に登場するキャラクターのなかでは、社長と同じくらい人間らしいキャラクターだと思います。
下野さん:どちらかというと、僕はホーみたいな役を演じることが多くて(笑)。以前に兄貴分を慕って復讐を遂げようとするキャラクターを演じたこともあったので、個人的にとても愛着を感じました。シャトーの命を奪おうとする過激で危険なヤツではありますが、どこか憎めないところがあります。
前野さん:性格がまっすぐなので、行動にもそれなりに納得がいくんです。慕っていた人があんな殺され方をされたら、ホーのような行動を起こしても仕方ないなと思わせてくれる。
下野さん:誰の指示でもなく、あくまでも自分の信念に基づいて行動するというところは、わからなくはないなと感じました。
――前野さんはホーを演じる際にどんなことを意識されていますか?
前野さん:感情を前面に出すキャラクターなので、感情の出し方の強弱に気をつけています。あとは、現場で音響監督とディスカッションさせていただいたときに、少し人を小馬鹿にするような、イラッとさせるようなニュアンスがあるといいかもとアドバイスをいただいて、そのニュアンスをつけ足していくようにしました。
――第3話では5年前のホーも登場しました。
前野さん:過去のホーに関しては、スンウさんも存命で今ほどやさぐれていないので、かわいらしい手下感を少し意識しました。ちょうど今日(取材日)、第4話のアフレコが終わったんですが、第4話に関しては打って変わってかなり鬼気迫るものがあると思います。
下野さん:初登場の第2話もインパクトあったよ。あのバイクのシーンがすごかった。
前野さん:シャトーを殺しにくるシーンですよね? 大型バイクに乗って、後ろを見ながら片手で運転して、銃を撃つ……すごいですよね。普通はできないと思います(笑)。
下野さん:前野君、バイクは乗るの?
前野さん:バイク、免許は持ってるんですよ。片手運転なんてしないですし、絶対にできないですけど。
下野さん:ホーは毎日乗って練習したのかな。
前野さん:想像するとおもしろいですね(笑)。
――そしてリャンハですが、第3話では過去にスンウを殺害していたことが明らかになりました。あのシーンは、リャンハの冷徹さを改めて突きつけられました。
下野さん:いや、本当に何を考えているのかわからないですよね。
前野さん:この人に背中を見せちゃいけないなって思いました。明日のメシの話をしていたら、いきなり後ろからズドン、ですからね。一瞬でも隙を見せたら命を奪われるかもしれない……そんな“信用ならなさ”があります。
――逆に何かリャンハに魅力を感じた部分はありますか?
前野さん:視聴者目線で見ると、優しい顔をして感情を出さずに敵を倒していくというのは、圧倒的な強者感があって純粋にかっこいいなと思います。ただ、下野さんもおっしゃったように、真意をはかりかねる部分が非常に多いので、やっぱり怖いですよね。……まぁ友達になりたいかと言われたら、ちょっと困っちゃいます。
下野さん:(笑)。
前野さん:腕利きの殺し屋というのは間違いないんですが、すぐ裏切りそうな危うい一面もあるので、目を付けられないようにしたいです。
――(笑)。現段階では、リャンハがスンウを殺した理由も謎ですよね。
下野さん:そうなんですよ。ただ、リャンハは衝動的な行動をするようなタイプではないので、何かしらの理由があるんだろうなとは思いました。それこそスンウさん以外にも幹部たちをことごとく殺してしまったわけですから、その意図がどこにあるのか、今後の展開を楽しみにしたいです。
前野さん:スンウさんたちも裏で何かやっていたのかもしれないですが、ぱっと見たところ、スンウさんってすごくいい人のように見えるんですよね。だからこそ、ホーと同じように「なぜ……?」と思ってしまうし、そういうミステリ的なところも面白いなと思いました。
下野さん:そうそう、スンウさんがすごく気にかけてくれて、悪い関係ではなさそうでしたし。ホーには嫌われていたけれど、リャンハは特別嫌っているようには見えなくて……。スンウさんとの掛け合いもすごく穏やかな感じでできたので、本当に「なぜ……?」と思うばかりです。
――モーテルでのシャトーとのやりとりは、どこかコミカルなとこもあって楽しかったです。
下野さん:個人的には、さらに謎が深まりました。第1話からシャトーにつきまとい、そこには好意がありつつも、それだけではない別の目的が感じられたの ですが、別の目的というのが一体なんなのか、シャトーに本当はどんな感情をいだいているのか。ますますわからなくなったというか……。シャトーの家で本人からもツッコミを入れられていましたが、リャンハの行動はリスクだけで本当に利点がないんですよ。“愛”だけでそこまでできるのか……謎だらけです。
――シャトーが怪訝そうにしているのもよくわかるというか……。
下野さん:僕ら以上にわからないと思いますからね。
前野さん:真意をはかりかねているところでしょうね。シャトー自身もその素性がいまひとつ見えないし……。
下野さん:謎が深まって、この先がますます楽しみになりました。
――一方、ホーからすればシャトーはリャンハの弱点にもなりうる存在ですよね。
前野さん:そうですね。リャンハをおびき寄せるための絶好の関係者なので、その意味ではシャトーに利用価値を見いだしていると思います。ただ、車のタイヤを撃ち抜いても見事なドライビングテクニックで攻撃してくるあたり、ホーもただ者ではないと認識しているはずなので、シャトーと相対するときは決して油断せず、最初から本気を出してきそうですね。
――シャトーというキャラクターそのものについてはいかがですか?
前野さん:賞金稼ぎという仕事をしている以上、冷徹にならなければいけない場面もあるでしょうし、実際、非常にクールな女性だと思うんですが、その一方で思った以上に人間味のあるところを見せてくれて、それが面白かったです。たとえば、リャンハとのモーテルでのやりとりは、意外と感情的になるんだなと思って驚きました。
下野さん:口数は少ないけれど、リャンハとのやりとりを見ているとイライラしているのがよく伝わってくるんです(笑)。リャンハに比べれば感情の揺らぎがはっきりわかりますし、本来はとても素直な子なんだろうなと思います。お母さんからの留守電を聞くだけでも、両親から大事に育てられて、まっすぐに育ってきたんだろうなというのが伝わってきました。
前野さん:あと、いわゆる殺し屋をしながらも、自分が女性であることを忘れていないところがかわいいです。
下野さん:わかる。あまり気にしないのかなと思っていたら、着ているものを全部洗濯に出されて怒っていましたし。
前野さん:そういうところが“ギャップ萌え”なんでしょうね。
下野さん:逆に、服を脱がしたことについて何も思ってなさそうなリャンハが不思議なんですよ。脱がせたシーンは描かれていないので実際はわかりませんが、おそらく、よくわからないから適当に洗濯してきましたという、あっさりした感じだったと思うんです。そう考えると、シャトーへの気持ちは本当にラブなのか、あるいは落ち着いているだけなのか……。繰り返しになりますが、本当に謎だらけです。
――さて、キャストさんのリレーQ&A企画として、前回、下野さんと対談していただいたシャトー役の大西沙織さんから、前野さんへのご質問が届いております。
下野さん:問題のやつだ……。
前野さん:え、なんですか?
――第2話で、ホーのバイクがシャトーの車にふっとばされたシーンがありますよね? ホーは「やるじゃん」と話していましたが、前野さんだったらどんなセリフを言いますかとの質問です。
前野さん:なるほど……?
下野さん:ごめんね、事務所の後輩が変な質問をして……。申し訳ないけど、本人的には「推しポイント」らしいから、答えてあげてほしい。
前野さん:まぁ、でも自分だったら「やるじゃん」とは言えないと思います。
下野さん:実際は、そんな余裕ないもんね。
前野さん:ホーだから無傷か軽傷で済みましたけど、常人だったら大惨事ですから。でも、逆に変に冷静になってしまって、やめておけばよかったと思うような気がします。なので、「やめときゃよかった……」で。
下野さん:なんか大喜利みたいになってない?(笑)
前野さん:だって、暗殺失敗なんですよ。失敗したうえにふっとばされたら、「やめときゃよかった」って、たぶん思います。
――ありがとうございました。
公式サイト:https://love-of-kill.com/
公式Twitter:@LoveofKill_info
©2022 Fe/KADOKAWA/殺し愛製作委員会
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