Extra 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第1話・第2話
マスコミ試写にて『機動戦士ガンダム サンダーボルト』を鑑賞。太田垣康男さんのコミック原作をアニメ化したOVA作品で、『機動戦士ガンダム』で描かれた一年戦争を舞台とした外伝的作品。
第1話:一年戦争末期、破壊されたコロニーなどの残骸が漂う「サンダーボルト宙域」の奪還を狙う地球連邦軍のモビルスーツ部隊は、ジオン軍のモビルスーツによる遠距離射撃に遭遇する。コアファイターで狙撃部隊のもとに辿り着いたイオ・フレミングは、そこでジオンのエーススナイパー、ダリル・ローレンツと対峙する。
第2話:イオに支給されたフルアーマーガンダムに対抗するため、ジオン軍は開発中のサイコザクの投入を決定する。義手義足の兵士で構成されたリビングデッド師団に所属するダリルは、サイコザクの性能を引き出すために、残っていた右腕の切断を迫られる。
本作は全4話が予定されているので、ここまでで半分となりますが、とにかくテンポが早いです。1話18分という尺の短さもあり、ストーリーがどんどん進行していき、2話を続けて観てもあっという間でした。
尺が短いこともあって、イオとダリルの物語に特化した形で描かれていますが、その周囲にいるクローディアやカーラといった女性たちの苦悩などもきちんと織り交ぜられており、モビルスーツの戦闘シーンだけがクローズアップされるようなアクション作品ではない作りになっているのが好感が持てます。
もちろん、戦闘シーンの描写も高いクオリティとなっていて、よくまあこれだけ動かすなぁという感じ。初めて原作を読んだときに、ここまでメカを細かく描写するのかと思いましたが、そのディテールを保ったままアニメになっているという印象ですね。
個人的には、マニピュレーターで複数の盾を持つモビルスーツの姿に違和感はあるのですが、そういう姿を初めてみるからなんでしょうか。そんなに盾を持って、制御しきれるのだろうかと思ってしまうもので……。
また美術がすごいですね。コロニーの残骸などの書き込みや、宇宙空間の描写などはとても臨場感があると思います。OVAというより、劇場版レベルのクオリティです。
本作で注目したのはやはりBGMでしょうか。コミックでは音が出るわけではないので、どのような音楽なのかはわからないわけですが、それが実際の音として聞こえてくると、あぁ、ここでイオが聞いていた音楽はこういう曲だったのかと妙に納得したり。ジャズをBGMとしている分、非常にアダルトな雰囲気も漂って、大人のガンダムという感じです。
まだ半分なので、作品としての評価は難しいですが、残りの2話が楽しみな作品ですね。強いて言うなら、かなり駆け足な展開に見えるところが難点でしょうか。たぶん秒単位の演出で考えて、その描写について相当苦労されただろうなということは伝わってくるのですが、所々、少し間が欲しいと思うところはありました。
イオとダリル、この二人の思いというか、考えというか、そこに一瞬の迷いであったり、苦悩であったりというところを伝える間がもう少しあってもいいかなと。あくまで個人的な感想でしかありませんが。
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は、第1話が配信中、第2話が2月12日からガンダムファンクラブ、バンダイチャンネルほかにて配信開始です。
©創通・サンライズ
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