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スイス発、愛の定点観測ドキュメンタリー『終わり行く一日』初日決定

15年にわたる、窓からみえる風景、留守番電話、音楽。
スイス発、ある男の人生を愛の定点観測ドキュメンタリー
ある男の15年を綴った叙情ドキュメンタリー『終わりゆく一日』。
10月26日、ユーロスペース他全国順次公開で初日決定しました。
ドキュメンタリーとフィクションの境界に挑む、スイスの映像作家トーマス・イムバッハ監督の自伝的作品でもあり、定点記録する窓からの景色、留守番電話のメッセージ、気持ちを代弁する楽曲(現代はニック・ドレイクの“Day is Done”)が、人生の悲哀を鮮やかに浮かび上がらせみる者を追体験させます。

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躍動する都市のパノラマ、別れを告げる留守番電話の伝言、男の心を代弁するボブ・ディランの歌。
スイス・チューリッヒのとある部屋で15年にわたって定点記録された人生の断片が、さまざまな愛について語り始める。
鮮烈な映像と赤裸々な音の奇跡的な連なりが、観る者にあらゆるエモーションを追体験させる究極の叙情ドキュメンタリー。
チューリッヒの工業地域にあるスタジオ。古い35ミリのカメラを構え、窓の外の風景を撮り続ける男がいる。空を突き刺す巨大な煙突。雲を横切る鳥の群れ。轟音をたてて行き交う列車。行進するブラスバンド。キスする恋人たち。建設中の高層ビルの上で旋回するクレーン。昼夜を分かたず、雨の日も雪の日も窓辺に立ち続ける男は、都市の景観の中に一体何を見つけようとしているのか?

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男の背後では、留守番電話の伝言が流れている。「もしもし、今何してるの?」、「湖に泳ぎに行かない?」、「残念ですがあなたの企画は会議で却下されました」、「埋葬の日どりを決めたわ」、「今チビちゃん起きたところ」、「どこに雲隠れしたのか知らないけど、もう言うことはないわ」、「君は逃げ出したのか」、「世界で一番大好きなパパ」……。映画作りにおける葛藤、親の死、我が子の誕生、パートナーとの別れ。機械に残された親しき者たちの声が、男の人生を浮かび上がらせる。
やがて、一言も発しない男の気持ちを代弁するかのように、歌が響き出す。ボブ・ディラン、シド・バレット、ジェイソン・モリーナ、ビル・キャラハン、ジョン・フルシアンテ、コナー・オバーストetc。孤高のミュージシャンたちの研ぎ澄まされた詞とメロディが、失われた時と新しい始まりを告げる。

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●ストーリー
チューリッヒの工業地域。元倉庫のロフトを仕事場にしている映画監督のTは、今日も窓の外の風景にカメラを向けている。広大な風景の中で一際目立つ工場の煙突、雲を横切る鳥の群れや飛行機、眼下の操車場で働く作業員、いつも髪をなびかせ颯爽と歩いている女性といったものを35ミリフィルムで撮影し続けるT。風景は季節や天気や時間帯によって様変わりし、Tが見飽きることはない。
Tのもとにはさまざまな人から電話がかかってくる。彼らはTの留守番電話にメッセージを残していく。映画関係者らしきある者は企画が通らなかったことを告げ、ある者はTを励まし、ある者は観てきたばかりの映画の感想を述べる。
飛行機であちこちを飛び回っているTの両親は、旅先の天気を報告する。しかしある時、父に腫瘍が見つかる。闘病の末、父は亡くなる。やがてある女性とTの間に子どもが生まれる。彼女はなかなか息子の面倒を見ようとしないTに不安を抱く。その間にも息子は成長し、電話口で喋れるまでになる。彼女はいつも不在のTとの関係に悩み、苛立ちをぶつけるようになる。Tと彼女の距離は広がっていく。
時は過ぎ、Tの息子は10代になった。窓の外には、スイス一高い超近代的なビルが完成間近の姿でそびえ、新たな建設現場のクレーンが煙突の煙を遮っている。

監督・撮影:トーマス・イムバッハ
脚本:トーマス・イムバッハ、パトリツィア・シュトッツ
演奏:Day is Done Band
原題:Day is Done|2011年|スイス|スイスドイツ語|カラー|1:1.85|35mm|111分
提供:フルモテルモ、コピアポア・フィルム、オープンセサミ
配給:フルモテルモ×コピアポア・フィルム
『終わりゆく一日』
2013年10月26日(土)より ユーロスペース他 全国順次公開
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