Extra 『宇宙戦艦ヤマト2199』第五章「望郷の銀河間空間」
マスコミ試写にて『宇宙戦艦ヤマト2199』第五章「望郷の銀河間空間」を観賞。4月13日からイベント上映される出渕監督による『宇宙戦艦ヤマト』リメイク第5弾。
今回の第五章は、これまでの4章に比べて一気に話が進むという印象。よくありがちな中だるみ感はまったくなく、ここまでに張られた伏線を回収しつつ、クライマックスに向けてさらに加速したという感じでしょうか。ガミラスとの激しい戦闘を織り交ぜながら、ここまで謎となっていたことがらを次々と解消していく……よくまあ4話にこれだけ盛り込んだものです。
ドメルのワナにはまるヤマト、ヤマト内での反乱、デスラー暗殺事件、イスカンダルの使命、岬の言動の謎、森雪の秘密、イスカンダル第一の使者ユリーシャ、真田と古代守の過去、ヤマト自動航行装置について、バラン星に集結する1万隻のガミラス艦隊……今回は、若本規夫さんが声をあてているヘルム・ゼーリックが大活躍。このゼーリックがなかなかにいいキャラで、若本さんの声がまさにはまり役でした。
戦闘シーンもこれまでの中でいちばん多く、激しい戦いとなります。特に1万隻ものガミラス艦隊に立ち向かうヤマトの姿は必見。これまで様々な戦いが描かれてきたヤマトではありますが、スピード感・臨場感あふれる戦闘シーンとして、ヤマトの戦いの歴史に残る名シーンとなった気がします。
大艦隊の中には三段空母の姿もありましたが、今回は特に活躍せず、少々残念。第六章の予告では戦闘空母も出てきてましたし、次章での活躍に期待というところでしょうか。戦闘空母が出てくるということは、いよいよドメルとの七色星団での死闘が描かれるのだと思います。このまま一気に観たい!と思いましたが、お楽しみはもう少し先ですねぇ。
ヤマト内での反乱は、旧シリーズではイスカンダルでのできごととして描かれたエピソードですが、ここへ持ってきたほうが説得力がありますね。イスカンダルに到着してからだと、あとは地球へ戻るというタイミングでの反乱となるので、どうもピンとこない感じがしてました。
旧作の矛盾点などを修正したり、バックエンドの話を新たに描写することで再構築を行ってきた『宇宙戦艦ヤマト2199』ですが、昔からのファンとしてうれしかったのは真田さんと古代守の若い頃のエピソードが描かれたことでしょうか。昔からの親友という話は出てきますが、その頃の話が映像化されることはこれまでなかったので。
しかし、、、いや、違和感はないんです。普通に、そういうことがあったのかぁと観られる話ではあるのです。が、古代守の愛読書である中原中也の詩集を真田さんに貸すというところで、200年も前の詩人と紹介するわけですが、そこではたと気づくのです。そうだ、この話は22世紀終盤の話だと。
このシーンは真田さんが大学の研究室のようなところでコンピュータに向かってなにやら取り組んでいるのですが、どうみても20世紀なんですよねぇ。我々が慣れ親しんだ光景のために違和感を感じないのですが、22世紀終盤にこの光景はほぼ間違いなくないでしょう。コンピュータも1980年代とか1990年代のような感じでしたし、何より詩集がいまの文庫本そのまま。百云十年後も紙媒体は今と同じ生きてるのかぁ!(^O^)
いま観ている我々が少し前の世界として郷愁をいだくための演出というところなのだと思いますが、ここまで徹底して世界観を作ってきただけに、ここも22世紀の世界が観たかったかも、という気はしました。
全体的には、残り2章が早く観たくなるくらい、これまでの中でいちばんのクォリティで描かれた第五章。この『宇宙戦艦ヤマト2199』第五章「望郷の銀河間空間」は4月13日より全国12館でイベント上映開始。
今回もイベント上映館では劇場限定版Blu-rayが先行販売されますが、それに加えて、4月24日に発売される『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のBlu-rayも数量限定で先行販売されます。この劇場限定版では特典としてポストカード5枚セットが付きますので、購入を予定されてる方は劇場で購入するのもいいかも知れませんね。
『宇宙戦艦ヤマト2199』公式サイト:http://yamato2199.net/
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©2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
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コラム, 劇場版アニメ・イベント上映
2013/04/07 16:51 MOVIEW