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『リンカーン』スピルバーグが本当に撮りたかった史上最も愛された大統領

「すべての人間の“真の自由”のために」
伝説となった大統領の決断が世界の未来を大きく変えた――。
巨匠スティーブン・スピルバーグが本当に撮りたかった、史上最も愛された大統領の知られざる感動の物語『リンカーン』。
これは閉塞した現代に向けて問いかける、リーダーの魂の軌跡である。

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社会を大きく左右する決断を迫られたとき、未来を見据えた選択ができるかどうかでリーダーとしての資質が決定づけられる。
アメリカ第16代大統領エイブラハム・リンカーンは、すべての人に自由な世界を実現するという理想に向かって邁進し、道半ばにして凶弾に倒れた。だが、彼の思いは後世に引き継がれ、現在の世界に幅広く浸透している。
アメリカ映画界を代表する匠スティーブン・スピルバーグは、伝説化されたリンカーンの実像に迫る作品の製作を12年に渡って温め続け、魂の震えるような感動をもたらす、サスペンスにみちたドラマを構築した。ピュリッツァー賞作家ドリス・カーンズ・グッドウィンの同名ノンフィクションをもとに『ミュンヘン』のトニー・クシュナーが手がけた脚本を得て、最期に至るドラマチックな4ヵ月間を映像にくっきりと紡ぎだす。
リンカーンの理想を貫くためにさまざまな策も厭わない現実主義者的な一面、これまであまり伝えられなかった妻や子供との葛藤などが、ぐいぐいと惹きこむようなスピルバーグの語り口で浮き彫りにされていく。そこには自らの信念にしたがって、孤立や誤解を恐れずに戦いぬいたひとりの男のドラマが香り立つ。
感動的な人間ドラマであると同時に、汲めど尽きせぬ面白さに彩られた、スピルバーグの傑作がここに誕生した!
特筆すべきは選りすぐられたキャスティングである。あの印象的な容姿のリンカーンにみごと成りきってみせたのは『マイ・レフトフット』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で2度のアカデミー主演男優賞に輝いたダニエル・デイ=ルイス。抑えた演技で感情を抑えた内省的な男性像を存在感豊かに表現してみせる。3度目の受賞も夢ではない名演だ。

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●ストーリー
1865年1月、エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)が大統領に再選されて、2ヵ月が経っていた。
国を二分した南北戦争は4年目に入り、大勢は大統領が率いる北軍に傾いていたが、リンカーンにはすぐさま戦争を終結させるつもりはなかった。奴隷制度に永遠の別れを告げるため、たとえ多くの死者が出ても合衆国憲法修正第十三条を下院議会で批准する前に戦争を止めるわけにいかなかった。
リンカーンにとってホッとできるのは末息子のタッドと過ごすひと時だけだった。長男のロバート(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)とは話す時間もなくぎくしゃくしていたが、ロバートは正義感で母の強硬な反対を押し切って、北軍に入隊してしまった。リンカーンは無事な学生でいてほしいという父としての願いを抑え、ただ見守るしかなかった。
南北戦争の和平交渉が早く進む事態となって、リンカーンは1月25日、下院議会に合衆国憲法修正第十三条に提出する。思惑と工作が蠢くなか、果たして多数派工作は成功したのか。
ひとり静かにホワイトハウスで結果を待つリンカーンだったが、その後に過酷な運命が待ち受けているとは予想もしていなかった――。

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原題・英題:LINCOLN
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
製作:スティーブン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ
出演:ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、トミー・リー・ジョーンズ ほか
©2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC
『リンカーン』
4月19日(金) より、TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー
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