『Pina 3D/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』ヴィム・ヴェンダース監督来日記者会見
『Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』
楠田枝里子さんも花束ゲストに登場!
東京国際映画祭 舞台挨拶&記者会見のご報告
アート映画世界初!最新3D映画
第24回東京国際映画祭 特別上映作品
来年度アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表作品
5年ぶりの来日 ヴィム・ヴェンダース監督、舞台挨拶に映画ファンが殺到!
来年2月25日(土)より全国順次3D公開となる『Pina 3D/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』が、10月25日(火)に第24回東京国際映画祭の特別招待作品として上映され、5年ぶりの来日を果たしたヴィム・ヴェンダース監督が上映前の舞台あいさつを行いました。
また、続けて行われた記者会見にはピナ・バウシュと永年の友人でもあるタレントの楠田枝里子さんも来場し花束とともにヴェンダース監督の来日を歓迎、ピナへのメッセージと共に言葉を捧げました。
●第24回東京国際映画祭 舞台挨拶
10月25日(火)@TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
本作品は、今年の東京国際映画祭の特別招待作品として3D上映され、ヴィム・ヴェンダース監督が舞台あいさつに参加いたしました。5年ぶりの監督来日に、チケットは早々に売り切れる盛況ぶり。当日も、来場したヴィム・ヴェンダース監督にたくさんの映画ファンからの熱い声援と拍手が贈られました。
●来日記者会見
10月25日(火)@映画美学校
来日を記念しての、本作のヴィム・ヴェンダース記者会見には、花束ゲストとして楠田枝里子さんも来場。楠田さんは、ヴェンダースと同じく、日本でも有数のピナ・バウシュの大ファン。ピナを通じて、ヴェンダースと親交も深く、何より本作品を誰よりも気に入っていただき、この度のゲストとしてご来場いただきました。
●舞台挨拶&記者会見より
・ピナ・バウシュとの出会いについて
1985年に初めてピナ・バウシュの舞台を観た瞬間にこれほど美しいものはないと感銘を受け、「あなたの映画を一緒につくらせて」とピナにお願いしました。
その頃からずっと、理由もなく心からこの映画を創りたいと思っていました。
ピナも熱心に創ろうと言ってくれていたが、どうすればピナのダンスを映像化できるのか、その術がなかったため、ずっと模索していました。
・3Dについて
60年代に3D技術が現れたもののすたれていき、その存在を私は忘れていました。
しかし、4年半くらい前に新しい3Dのデジタル技術が登場し、私は「これがこの映画を撮るための秘密兵器だ、これが答えだ」と感じました。ピナと二人でやっと映画を創れると思った矢先、彼女が突然の死を遂げてしまい、私はもっと早く映画創りをスタートすべきだった、3D技術の到着は遅かったと思い、私はそこで一度映画を創ることを一度断念しました。しかし、ダンサーは彼女の死後も踊り続け、私も撮ろうと思ったのです。
ピナ無しではこの映画は創れないと思っていましたが、ピナのために、私はダンサーたちと一緒にこの映画を創ることが出来るのだと思いました。
今回、3D技術によって、人間の身体の圧倒感、存在感、そこにあるものが今までと全く違うものとして撮影することができたと思います。今まで撮れなかった人間とはこういうものだ、という表現です。
ドキュメンタリー映画は他の人の世界に入り込める体験だと思いますが3D技術がもたらした存在感や表現力はドキュメンタリーのような没入型の映像には一番ふさわしいと思いました。ドキュメンタリー作家もこれから3Dを使っていくべきだと思います。
この映画はダンスに興味が無い人に観てもらいたい。自分もそうでしたから。
この映画は3D技術が無かったら創らなかった。ダンサーたちの舞台には私は入れないと思っていたけれど、3D技術のおかげでその中に入り作品に出来ると考えられたのです。
・監督からのメッセージ
ピナ・バウシュ、そして本作にはヒーリング力、癒す力があると思います。
東京で一足先に本作を今回上映できることになって、私はそれなら福島でもぜひ、とお願いしました。今回、その願いが叶い、福島を訪問出来ることとなりました。
向こうの方とお話したり、車で実際に現地を回り、実際に現地をみたいと思っています。ドイツでは原子力発電の事故は起きていないが、全てを廃炉にすることに決定しました。
今回の震災においては、未来にとって大変な教訓になったと思います。
――楠田枝里子さんメッセージ
私は、ヴェンダース監督と同じくピナ・バウシュの大ファンで、彼女の講演を追いかけて世界中をまわるほど夢中でした。それは自分自身の人生の歩みといっても過言ではないです。ピナが2009年に亡くなった時、私はピナなしの人生を想像できずに深い悲しみに暮れました。
しかしこのヴェンダース監督の作品を見て、「ピナにまた会えた!」という気持ちがこみあげてとても嬉しく思いました。ピナは土や石、水など自然界のさまざまなものを舞台に持ち込んで表現をしました。それを今度は、ヴェンダース監督がヴッパタールのダンサー達をその自然界そのものの空間に連れ出しています。
本当に感動的な映像です。この作品は、ピナ・バウシュやダンスに全く興味がない方でも、楽しめ、そして新しい何かを発見できる作品です。
ぜひたくさんの人に観てもらいたいです。
●『Pina 3D/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』
2009年、世界中のファンに惜しまれながらこの世を去った天才舞踊家ピナ・バウシュ。
彼女の遺した不朽の名作と生きた軌跡を、彼女の20年来の友人であり、音楽ドキュメンタリーの金字塔『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のヴィム・ヴェンダースが3D映画化。最新3Dカメラは縦横無尽に舞台上を駆け巡り、ダンサーたちの動きはもちろん、表情、迸る感情までをもダイナミックかつ繊細に捉え、その驚異の映像は“観劇”とは全く異なる“未知なる臨場感”をスクリーンに映し出す。本年のベルリン国際映画祭で初披露された本作は、世界中の賞賛を浴びた。
今、魂が戦慄する衝撃と、心を愛で満たす感動を、あなたに─
監督・脚本・製作:ヴィム・ヴェンダース『パリ、テキサス』、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
出演:ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団ダンサー
音楽:トム・ハンレンシュー『ランド・オブ・プレンティ』、『パレルモ・シューティング』
原題:PINA/104分/ドイツ、フランス、イギリス映画/カラー/ヴィスタ/SRD
『Pina 3D/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』
2月25日 ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9他全国順次3D公開
→『Pina 3D/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』を探す
2011年の映画ニュース, 映画ニュース
2011/10/27 03:39 MOVIEW