Vol.94 『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』
完成披露プレミア試写にて『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』をテアトル新宿にて観賞。フジテレビのノイタミナ枠で放送されたテレビアニメ『東のエデン』の続きを描く劇場版の2作目にして完結編。
前作のニューヨークから再び日本に舞台を移し、繰り広げられる、この国を救う義務を与えられたセレソン(救世主)たちのゲームもいよいよ大詰め。ゲームの勝者となるのははたしてどのセレソンか? この国の王となる依頼をJUIZに受理された滝沢朗はどうなるのか? またゲームの仕掛け人Mr.OUTSIDEの正体は? 上映時間を延ばし、公開予定を遅らせてまで、すべての謎に決着をつけるべく製作された、まさに完結編にふさわしい内容でした。
上映後は神山監督のトークなどもあり、裏話なども披露されましたが……この手の作品は難しい……。何がって、内容にしてもトークのことについても、何を書いてもネタバレになってしまいそうでうかつなことが書けない。うーん、難しい……。
前作のプレミア試写のときにも書きましたが、この作品はあくまでもテレビの続き。テレビアニメ、それから前作である『東のエデン 劇場版I The King of Eden』を観ていない人にはちょっと厳しい気がします。逆にテレビアニメを観てきた人には、その中に仕掛けられた伏線といったお楽しみが入っていたりします。観賞前にもう一度チェックしておくといいかも知れませんね。
#劇場版IのDVD発売が公開後というのが残念……
前作で触れられた滝沢の過去についてはさらに深く掘り下げられます。ここは見どころの一つでしょうか。あと、前作であまり活躍しなかった東のエデンのメンバーが、今作では見せ場をもって活躍しているのがいいですね。もちろんメインは主人公である滝沢ですが、それぞれがそれぞれの持ち味を出しつつ滝沢をフォローしている姿が描かれている点が、ここまでの話の集大成と言えると思います。
セレソンたちのゲームもクライマックスを迎え、静かでありながら緊迫感のあるシーンが描かれます。ここの説明は非常に難しいのですが、『十二人の怒れる男』にも似た空気が漂うシーンとでもいったらいいでしょうか。派手なドンパチが繰り広げられた前作とは対称的なクライマックス。そこで語られるセリフの重み。
こういうシーンは難しいはずですが、監督の演出力の勝利というところでしょうか。観客が固唾を呑んで見守っているという空気が劇場内にあふれており、その引きつける力はちょっとすごいなと思いました。
『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』は3月13日(土)より、テアトル新宿、テアトルダイヤ、ユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて全国順次ロードショーです。
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コラム, 劇場版アニメ・イベント上映
2010/03/05 05:09 MOVIEW