Vol.10 『仮面ライダー THE NEXT』
マスコミ試写会にて『仮面ライダー THE NEXT』観賞。2年前に公開された『仮面ライダー THE FIRST』の続編で、テレビシリーズのリメイクではない、大人のための仮面ライダー。
仮面ライダーにしてもウルトラマンにしても、日本ではこの手のヒーロー映画はどこか一つ下にみられるところがありますよね。いい大人が……というような偏見というか。なのに『スーパーマン』や『スパイダーマン』、あるいは『バットマン』は普通の映画として観る。ハリウッドで作られるヒーロー映画は大人向けで、日本のヒーロー映画は子供向けなんでしょうか?
その答の一つが今回のNEXTという気がします。PG-12指定に踏み込んでいるあたりでもその気概が感じられるというか。いくらPG-12といっても仮面ライダーなんだから……と思っていたらとんでもなかったです。これは確かに小学生を連れていくのは気が引けます。ショッカーが出てきたらいきなりおっぱいですからねぇ~(^O^)
いやいや違う違う。PG-12になった理由は映画冒頭から始まるホラーテイストの映像。聞いていた話では怪奇性が高いからPG-12になったという説明でしたが、怪奇性が高いなんていうものではなく、ホラー映画そのもの。いまや世界的に評価を受けている日本のホラー映画。『リング』のような本格的なホラー映画というわけではありませんが、そのテイストは十分伝わり、けっこう怖い映像になっています。
アイドルの歌を聴くと死ぬ……この都市伝説のような噂を伏線に展開されるストーリーは、今回初登場となる仮面ライダーV3こと風見志郎のキャラクターにうまくからめられています。テレビシリーズと違ってショッカーの改造人間として登場するV3。その心境の変化がこの伏線ときちんとリンクしていて、ストーリーとして違和感がなかったです。
もちろん仮面ライダーですからバイクアクションも健在。トラックバックしたOCNアニメニュースにも書かれてますが、まさに本物のアクションというべきでしょうか。CGを使っているシーンもありますが、生の爆炎、生の爆風、それをかいくぐりながらのスタントシーンはわくわくしながら観られました。
テレビシリーズでもっとも盛り上がった6人の偽ライダー、ショッカーライダーの登場。ショッカーの怪人よりも強いデストロンの怪人をモチーフにしたシザーズジャガー(オリジナルはハサミジャガー)やチェーンソーリザード(オリジナルはノコギリトカゲ)、そして敵として登場する第三世代の改造人間V3。この強敵たちにいどむダブルライダーという構図は、昔のテレビシリーズを夢中になってみた世代にはたまらないのではないでしょうか。
すでに30年が経過し、社会環境も大きく変わった分、風見志郎がIT企業の社長だったり、改造手術を行うのがナノロボットだったりと、時代の流れを感じる部分もありますが、それが逆に21世紀の仮面ライダーをうまく作り上げたと思います。
残念なのは立花藤兵衛の出番がなかったことですかね。あと、FIRSTの時のヒロインとはどうなったの?という疑問もちょっと残ったのですが……どうなったんでしょうね?
『仮面ライダー THE NEXT』は10月27日から公開です。
このコラムは2007/9/25にゴルフブログ「振り向けばカジュアルウォーターIII」に掲載されたものです。
コラム, 特撮映画
2007/09/25 00:00 MOVIEW