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Vol.227 『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』

TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』を鑑賞。昨年の『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』を観て、当分いいかなと思っていたのですが、やはりタイトルにもなっている仮面ライダー3号の描かれ方が気になって観に行ってしまいました。
『仮面ライダー』最終話、ショッカー首領を倒した仮面ライダー1号・2号。世界には平和が訪れるはずだった……。しかし2人の前にショッカーの開発した仮面ライダー3号がたちはだかる。3号はその圧倒的な力でダブルライダーを倒し、世界はショッカーに征服された。その後誕生した仮面ライダーたちはことごとく敗れ、ショッカーライダーとして脳改造されている現在。少数ながら、ショッカーに立ち向かう仮面ライダーたちがいた……。

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子供たちのために戦う南光太郎・仮面ライダーBlack、その言葉を聞き、正義の心に目覚めた仮面ライダードライブ。さらに、時の運行の乱れを監視する仮面ライダーゼロノス、裏切り者としてカリスに追われる仮面ライダーギャレン、謎の動きをみせる仮面ライダーファイズ……。そして、敵か味方か。ドライブたちと行動を共にする、仮面ライダー3号。それぞれの思惑が不明なまま、ショッカーへの反攻作戦のため、一同はライダータウンを目指すのだった……。
今回のキーポイントはタイトルにもなっていることでわかる通り、仮面ライダー3号・黒井響一郎です。1号・2号を倒し、ショッカーの世界を作っておきながら、ドライブ・泊進ノ介に「正義の心に目覚めた」と言う黒井。その動向を監視するゼロノス・桜井侑斗には「仲間とはいいものだ」と言う黒井。しかし、ショッカーライダーと化したライダー達への攻撃は凶暴そのもの。彼の本心が見え隠れするストーリー展開はよくできていました。
「1号・2号を倒したことを後悔している」としながら、ショッカー側のスタンスをとったり、ピンチの進ノ介を救ったり、いったいどちら側なのか、本当の目的はなんなのか。今回の話はダブルライダーが負けたというif世界なわけですが、2人を倒したライダーがいたら、その後どのような行動や思考になるのかという着眼点はおもしろかったと思います。

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今でこそ、これだけ多くのライダーがいるわけですが、人ならざる者として、孤高の戦いを運命づけられた仮面ライダー1号、それから仮面ライダーBlackらの孤独。侑斗へ言った「仲間とはいいものだ」というセリフが、3号が、それと同様のものを背負って戦い続けてきたであろうことを想像させます。
その本心を引き出すために進ノ介が仕掛ける仮面ライダーグランプリ。ライダーマシン達によるレースも、もう画としてワクワクさせますよね。ただ、ちょっとCGが……。ライダーのテレビシリーズや映画などで、CGが浮いていたり、違和感があったりするのは時間の制約などからも仕方ないことだと理解して観ているので、普段はそのあたりを指摘しないのですが、今回は一言言いたい。なぜ、ガチレースの映像にしないのかと。
リボルキャリーや、ウィザードの魔法など、どうしてもCGに頼らないといけない部分はあります。しかし、車やバイクの走行シーンくらい、実車の映像で観たかった。もちろん実車も走ってるのですが、突然CGに切り替わったときの違和感が大きすぎ。グランプリの佳境となる最終ストレート。なぜ実車映像ではないのか。この映画はライダーですよね。バイクスタント、カースタントくらい魅せてくれないでしょうかねぇ。

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さて、ライダーたちだけではなく、怪人のほうですが、ショッカー壊滅時はゲルショッカーだったわけですが、まさかそのゲルショッカーの新怪人が観られるとは思っていなかったのでちょっと感動しました。いいですね、チーターカタツムリ。技術の進歩もあって、その造型もゲルショッカー時代とは比べられないクオリティ。あと、ヒルカメレオンも新造型になっていたように思います。頭の大きさが昔のものとはまったく違ってスリムになってましたね。このあたりは大満足です。
が、しかし、今回は非常に残念なことがあります。通常、仮面ライダーの映画の場合、何がなんでも初日に観に行きます。なぜなら、あっという間にネタバレ情報が入ってくるので、それが耳に入る前に観たいからです。ただ公開初日がAnimeJapan取材と重なっていたため、なくなく2日目に観ることにしてチケット予約をしていたわけですが、日曜の朝、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』と『仮面ライダードライブ』本編の後に、特別映像としてこの作品の映像が流れました。
もうね、言葉が悪いですが「バカじゃないか」と叫びました。公開2日目にテレビで流す映像とは思えません。ニンニンジャーのほうなどは、出番がほぼ網羅されている状態。しかもそれで今作のクライマックスがだいたいわかってしまう内容。がっかりでしたね。観に行くのやめようかと思ったくらい。
去年のライダー大戦のときにも「戦隊は要らない。登場させる意味がわからない。」と書きましたが、今回はさらにわからない。話としてなんらつながりがなく唐突に登場。その登場させる必然性も意味もない。なぜこういうことになるのか。スクリーンに登場した瞬間、また心の中で「バカじゃないのか」と思いました。

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せっかく3号にまつわるおもしろいストーリーが展開されていて、レースバトルもあって盛り上がっているのに、それがすべて帳消しになるような台無し感。この作品は、仮面ライダーの映画として、3号の物語をきちんとまとめた形で観たかった。その点が本当に残念です。
『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』は、全国ロードショー中です。
「スーパーヒーロー大戦GP」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映AG・東映ビデオ・東映
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