MOVIEW SNS:Bluesky Threads Twitter Instagram YouTube

『ささやくように恋を唄う』ささ恋インタビュー 里宮百々花役 上田麗奈さんのインタビューが到着

先日最終回を迎えたTVアニメ『ささやくように恋を唄う』。
本作でローレライのベース・里宮百々花を演じる上田麗奈さんのインタビューが届きました。

ささやくように恋を唄う

●「ささ恋インタビュー」里宮百々花役 上田麗奈さん
本作の魅力をキャストへの取材を通して掘り下げていく「ささ恋インタビュー」。第11回は、里宮百々花役 上田麗奈さん。木野ひまりを導く先輩であり、悲しい過去を背負った彼女をどう演じたのか伺いました。

ささやくように恋を唄う

――原作をご覧になったときの感想はいかがでしたか?

上田麗奈さん:ひとコマひとコマからタッチの繊細さや表情の豊かさが伝わってくる、かわいらしくて儚げで美しい絵に惹かれました。物語も登場人物みんなが恋をしているような甘酸っぱいお話でありつつ、時にほろ苦いでは足りないくらい心が苦しくなるお話もあって。すごく読み応えがありました。

――胸が苦しくなったり、ドキドキしたり、いろいろな感情が揺さぶられる作品です。

上田さん:私も最初はひまちゃん(ひまり)にドキドキさせられました(笑)。本人がけっしてあざとくないからこその“あざとかわいさ”があるので、依先輩と同じ目線で「次はどんなふうにドキドキさせてくれるんだろう?」って。アニメもひまちゃんのかわいさに溢れていて、特に第1、2話は依ちゃん視点で楽しむことが多かったです。

――上田さん演じる百々花は、ひまりの先輩にあたるキャラクターです。最初はどんな印象をお持ちになりましたか?

上田さん:明るくて朗らかで親しみやすい雰囲気があって、そのうえでちょっと強引なところやいたずらっぽさがあるチャーミングな子だなと思いました。でも、それだけじゃないんですよね。物語を追っていく中で、百々花は誰かのことを考え、誰かのために行動できる人だというのがわかってきて、他人を喜ばせたいという気持ちが人一倍強い人なんだと思うようになりました。

その点では、ひまちゃんと通ずるところがありますよね。先輩としてひまちゃんの少し先を生きてるような感じというか。ひまちゃんがまだしたことのない経験や気づいてない感情を一足先に経験していて、だからこそひまちゃんに対して同じ目線で言葉をかけてあげている印象がありました。

ささやくように恋を唄う

――何も知らずに原作を読んだときに、最初は依のライバルキャラになるのかなんて思いましたが……。

上田さん:まったくそんなことはありません(笑)。本当に純粋にひまちゃんを応援できるし、依先輩のことも素敵だと思える人なんです。百々花の中にはキョウちゃんという確固たる存在があり、大きな目的もありますから。

――百々花の初登場は第4話でした。どんなお芝居を意識されましたか?

上田さん:テスト(リハーサル)では、お姉さんになりすぎず、達観しすぎないようにとディレクションをいただいたので、本番では年齢感を少し下げて少し無邪気さを加えるイメージでやらせていただきました。確かに、ローレライのメンバーはみんな何かを喪失した人たちであり、そのうえでの葛藤があるので、のちのちの展開を考えると成熟しすぎないほうがいいんですよね。そういった部分を意識しつつ、かわいらしさや無邪気さを大事にしました。

――どこか儚い印象もありましたが、その辺りも意識されたのでしょうか?

上田さん:儚さはあえて意識することはありませんでした。むしろ、より元気な方向……表向きは精神が安定していてる雰囲気に仕上げていった記憶があります。百々花なりに喋っている中で、自然と出たものだったのかもしれません。

――「ささ恋インタビュー」第10回で、始役の安済知佳さんが「憂いを帯びた声も素敵」と絶賛されていました。

上田さん:嬉しいです! ローレライのメンバーにだけは見せる悲しみや傷がありましたから、ちかぺ(安済)さんにそう言っていただけてホッとしています。

――そして、百々花としてはひまりとの関係性も外せません。先ほど、「少し先を生きている」とおっしゃっていましたが、二人の関係性についてはいかがですか?

上田さん:百々花とひまちゃんは「好き」の形も似ているのかなと思います。人のために何かをしてあげたい、そしてその気持ちの先に好きがある。第5話で語られていましたが、百々花が「その人のために毎日料理を作ってあげたいかどうか」を恋の基準にしていたように、ひまちゃんも依先輩に料理を作ってあげたいという気持ちが強かったと思うんです。その辺は似ているのかなと感じましたし、百々花は導く側であると同時にひまちゃんの人柄の温かさに救われる部分もあるように感じました。

ささやくように恋を唄う

――それはどういった部分に救われたと感じたのでしょう?

上田さん:百々花はけっして音楽が好きで純粋に楽しいからローレライを組んだわけではなく、それは志帆も始も同じだと思うんです。そんな百々花たちに対して、ひまちゃんは「かっこいい」とまっすぐに言ってくれる(第9話)。あの言葉は百々花にとっても一種の救いのようなものだったんじゃないかなと思いました。

――ひまり役の嶋野花さんとの掛け合いはいかがでしたか?

上田さん:感情を素直に出してくれて、掛け合いながら「この子の言葉は偽りじゃないんだな」といつも受け止めていました。はっきりとした元気さというよりも、この作品の柔らかさや儚さにばっちりフィットした明るさだったので、この子が語る言葉は全部本当のことなんだろうなと伝わってくるんです。私だけではなく、ひまちゃんと掛け合ったどのキャラクター、キャストもそのピュアさを受け止めていたんじゃないかなと思います。

――過去も含めた、ローレライの繋がりについてはどのように思われましたか?

上田さん:第10話を見て、第7話で披露されたローレライの圧倒的なパフォーマンス、その凄みの理由がわかった気がしました。あの演奏にはローレライのすべて、彼女たちの覚悟が表れていたんだなって。そもそも、一番好きな音楽、一番好きな人……自分にとって大切なものを失った三人が「自分の力で立ち上がる=ローレライの結成」で、ローレライというバンドそのものが覚悟の表れなのかなと。

そして、お互いの悲しみを否定することなく、踏み込むこともせずにただ寄り添って悲しみを分け合う、それぞれが救いになっている心強い拠り所なんだろうなと思います。だからこその信頼関係が感じられて胸にくるものがありました。

――第10話は、百々花と志帆のやりとりもグッときました。

上田さん:悲しみを和らげるために、キョウちゃんが好きだった志帆ちゃんの音楽を聴き始めたけれど、次第に志帆ちゃんの音楽自体が好きになっていったんだろうなと、百々花のセリフから感じ取ることができました。そして百々花の言葉が、志帆ちゃんが立ち上がるエネルギーになった気もして。けっしてポジティブな会話ではないけれど、あの掛け合いがあったからこそ、志帆の「自分の口で伝えてやればいいでしょ」という言葉が出たのかなと思います。

――第11話では、志帆が亜季に想いを伝えました。上田さんからご覧になった志帆についてはいかがでしょうか?

上田さん:志帆ちゃんは自分の気持ちに対して真剣で、真面目で、こんなに一生懸命向き合えるなんてすごいな、かっこいいなって思います。真剣すぎるがゆえにトゲが出てしまう瞬間もきっとあるんでしょうけど、一生懸命だからこそあの音楽が生まれるのだろうし、心に残る演奏、歌になるんだろうなと思うと、心から応援したくなるキャラクターです。志帆ちゃんにとって、軽々しく応援されるのが嬉しいかどうかはわかりませんけど(笑)。やっぱり挫折を繰り返して、音楽の過酷さを一番よく知っているわけですから。志帆ちゃんの思いを尊重したい気持ちはありつつも、やっぱり応援したり、見守ったりしたくなるキャラクターですね。

ささやくように恋を唄う

――ローレライとは対照的に、SSGIRLSの関係はすごくほんわかしていますよね。

上田さん:ひまちゃんと依先輩の掛け合いもそうですし、SSGIRLSはいつも楽しそう(笑)。すごく癒やされています。

――ひまりと依は特に後半はずっとラブラブで。

上田さん:二人が全力でこの作品の甘酸っぱさを体現してくれているのがいいですよね。ほろ苦さを全力で出しているローレライとの違いが面白くて好きです。

――では、これまでの話数を振り返って特に印象に残っているシーンを教えていただけますか?

上田さん:第6話でひまちゃんが依先輩に告白の返事をするシーンは、「めちゃめちゃ好き~!」ってなりました(笑)。依先輩は自分の隣で歌を聴いてほしいと思っていて、ひまちゃんは依先輩の歌を隣で聴きたいと思っている。お互いの「好き」の表現が一緒だったという、歌唱シーンのモノローグから返事をするくだりまでの一連の流れがとても印象深かったです。そのあとの、一番の友達は譲らないという亜季ちゃんのセリフも切なくて。本当に最高の流れでした。

――では、皆さんに高校時代にハマっていた音楽を伺っているのですが、上田さんはどんな音楽が好きでしたか?

上田さん:初めて友達にCDを貸してもらうという経験をして、初めてCDをプレイヤーに入れたのが高校生のときで、それがレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)でした。レッチリのことは知らなかったんですけど、その友達と仲良くなりたい一心でアルバムを全部聴いて、好きな曲も自分なりに見つけて、感想トークをしたというところまでを含めて、ものすごくハマっていました。そもそも、音楽を含めてあまり熱中したものがなかったんです。自分からCDを買ったり、アーティストさんを好きになったりすることもなく。今もそんなにないので、人からのオススメというものを大事にしています。

――では、「最近、ひとめぼれしたこと」についても教えてください。

上田さん:ひとめぼれと言ってしまえるほど軽やかなものではないんですけど、うちの猫ちゃんは、出会って、観察して、この子を連れて帰らなきゃという気持ちになって、一緒に暮らすことになりました。最初、すごく具合が悪そうだったので、性格や病名も何も知らないままにお迎えすることを決めたんです。病院にも連れていって、今では原因もわかって元気に暮らしています。

――ありがとうございます。では最後に、『ささ恋』をご覧いただいている皆様にメッセージをいただけますか?
 第11話を見た今、一番気になるのは亜季と志帆の「この先」だと思います。もちろん、この作品はみんながそれぞれに大事なものがあったり、恋をしていたりとたくさん心を動かしていますが、まずはこの二人がどうなっていくのか見守っていただけたら嬉しいです。

公式サイト:https://sasakoi-anime.com/
公式Twitter:@sasakoi_anime

©竹嶋えく・一迅社/ささやくように恋を唄う製作委員会

●次の記事もオススメ ——————
『ささやくように恋を唄う』最終回 それぞれの想いを胸に秘めたまま、ステージの幕が上がる

『ささやくように恋を唄う』文化祭編 第11話・第12話の放送スケジュール発表

→『ささやくように恋を唄う』の記事を探す

→2024年4月アニメ新番組特設ページ