第1回 新潟国際アニメーション映画祭の概要を発表、長編にこだわった作品で贈る6日間
2023年3月、新潟を開催地とした「第1回 新潟国際アニメーション映画祭」がスタートします。それに先駆け、映画祭の概要などの発表の場として記者会見が開催されました。
記者会見は東京・新潟・カンヌを結び、フェスティバル・ディレクター 井上伸一郎さん、審査委員長 押井 守さん、東京事務局長 真木太郎さん、映画祭実行委員会委員長 堀越謙三さん、事務局長 梨本諦鳴さん、プログラミング・ディレクター 数土直志さんが登壇しました。
●第1回 新潟国際アニメーション映画祭
会期:2023年3月17日~22日(6日間)
会場:新潟市民プラザ、開志専門職大学、T・ジョイ新潟万代、シネウィンド
・プログラム
長編部門(コンペティション):劇場・配信用長編・シリーズ作品 10~12作品
世界の潮流:前年度の観るべき作品集 8~10作品
アニメーションの未来:アニメの進化に貢献した人と作品 2~5作品
マンガの視線:マンガとアニメの関係性を探る 1~2作品
レトロスペクティブ:作家・ムーブメント再評価 4~6作品
アカデミー賞:産業論的セミナー・レクチャー 1~3講座
教育・育成プログラム:人材育成国際シンポジウム・セミナーなど 1~2講座
「アニメーション服飾史」の展示会も検討中
・プログラムの特徴
1:アニメーション配信時代に呼応し、いち早く世界の配信長編、シリーズ劇場公開作品をも広く対象とした、初のアニメーション・コンペとなる
2:直近の国内・海外の秀作を集め、現代アニメーションを俯瞰する
3:アニメーション技術向上に貢献したプロダクション・クリエイターを顕彰
4:マンガという肥沃な大地に育ったアニメとの関係を、批評的に解明する
5:アニメーション作家やムーブメントを、国際的批評空間で価値付けする
6:アニメーションの製作、マーケティングに関するアカデミー・プログラム
7:国際的アニメーション教育機関によるシンポジウム、共同ワークショップなど
・会場外イベント(検討例)
開会式:アニメ音楽演奏と学童コーラス
音楽イベント:アニソンライブ
美術イベント:古町界隈の高層ビルにアニメ作品の背景をモチーフにしたプロジェクションマッピング
●登壇者コメント
左から東京事務局長 真木太郎さん、フェスティバル・ディレクター井上伸一郎さん、審査委員長 押井 守さん
・フェスティバル・ディレクター 井上伸一郎さん
この映画祭は長編商業アニメーションにスポットを当てた、コンペティション部門を持つアジア最大の祭典として、新潟から世界にアニメーション文化を発信します。
未来永劫アニメ文化を維持するためには文化価値の共有は作品への評価、人材・スタジオが存続する基盤が必要です。この映画祭はアニメーションの地位や価値の向上に貢献します。クリエイティブな側面からの研究でより深く作品を理解し、アニメの産業価値を上げていきたいと考えています。
・審査委員長 押井 守さん
この映画祭の目玉は長編作品に特化し、エンターテインメント作品のコンペにしているところがおもしろい。アニメ業界は人の作品を評価しない特殊な世界で、批評もなければ評価もなかった。そういうことを打ち破る契機になればいいなと思います。
アニメーションという文化は真ん中に作品があって、周辺に様々な文化が集まっています。声優、コスプレ、フィギュア、ゲーム、その他たくさんありますが、そうしたもの全体が盛り上がって、楽しいお祭りになってほしいです。
・実行委員会委員長 ジェネラル・プロデューサー 堀越謙三さん
新潟は30年に3000人ものアニメーターや漫画家などのクリエイターが育成され、大学には専門学部もできました。さらに市民がコントロールしてきた自由貿易港という歴史もあり、創造力といった土壌があるからこそ、この映画祭を新潟でやる意味があると思っています。
・プログラミング・ディレクター 数土直志さん
21世紀に入り、世界のアニメーション映画は多様化と多角化が顕著になっています。これまでの歴史にない量のアニメーションが制作されていますが、情報や価値を共有する場所はヨーロッパと北米に偏っています。しかし、アニアのアニメーションのクリエイティブハブであった日本にも情報が集まっており、昨今の変化を捉えるのに最適です。
テレビはビデオソフト、動画配信などで手軽に楽しめるようになったアニメですが、そうした時代だからこそ“観る体験”が重要です。映画祭という場を創ることで、そうした鑑賞の共有体験の楽しさを高めたいと思います。
年に一度、新潟に来れば世界のアニメーションの新しい価値、トレンドを知ることができる。新潟国際アニメーション映画祭はそんな場所になります。
新潟国際アニメーション映画祭:https://niaff.net/
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