Vol.256 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
TOHOシネマズ錦糸町にて『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を鑑賞。『スター・ウォーズ』のサイドストーリーで、エピソード4直前の物語を『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズが監督した作品。
究極兵器デス・スターを完成させるため、帝国に連行されるゲイレン・アーソ。その娘ジンは帝国の手を逃れ、反乱軍のソウ・ゲレラに救出される。月日が経ち、成長したジンは、父ゲイレンが開発に加担しているデス・スターの情報を持つ帝国からの亡命者を探しに、反乱軍と疎遠となっているソウのもとへ向うのだった……。
『スター・ウォーズ エピソード4/新しい希望』のオープニングロールで語られている、デス・スターの設計図を奪った反乱軍スパイの物語を映画化した本作。『スター・ウォーズ』シリーズにはイウォークを主役としたスピンオフ作品がありますが、本史に関わるサイドストーリーとしては、実写作品では初の作品となります。
エピソード4で反乱軍に勝利をもたらした、デス・スターの設計図。反乱軍スパイはどのようにそれを奪取し、そしてレイアへ受け渡したのか? エピソード6でも多大な犠牲を払って入手したというデス・スターの情報が、たとえスパイと言えどもそうやすやすと奪えるわけがなく、過酷な話になるのだろうという予想はしていました。
エピソード4以降、その英雄的存在である人物の話はオープニングロールでしか出てこないことを考えると、だいたいその結末は……エピソード3にしてもそうですが、結末がわかっている映画はその分驚きがないので、あとはどう観せてくれるかだけの興味になってしまいますね。
で、本作についてですが、全体としては確かに『スター・ウォーズ』なのですが、まじめすぎるというか、複雑に考えすぎているという印象を持ちました。シリーズが進むに従って、それにまつわる要素がどんどん膨らんでいくのは仕方ないことなのですが、その整合性をとるために理詰めでシナリオを書いたなと感じます。
スカイウォーカー家の物語から外れる初めての話であり、本史に厚みを持たせるためのサイドストーリーなのに何か、『スター・ウォーズ』とはこういうものだというしばりにとらわれてる感が否めません。ダース・ベイダーの登場も本当に必要だったのかどうか。というか、ベイダーを出さないと保たないのであればサイドストーリーとしてはダメですよね。
本作は、これまでのシリーズに登場していない新たな登場人物であるジンが主役。新しいキャラクターですから、その背景などを語らなければならないのは当然ですが、はっきりいって長いと思いました。もうかなり進んだかな?と思ったら、映画の半分も進行しておらず、途中で飽きている自分に気づきました。
それでいて、ジンを中心に組織されるローグ・ワン部隊の他のメンバーの扱いがかなり雑。背景もわからなければ、なぜジンと行動を共にすることにしたかの動機も不明確。そこに勢いがあればいいのですが、なあなあのうちに一緒に行動してるだけにしか見えませんでした。
さらに言うと、そのキャラクター自体の魅力が薄い。たとえば旧3部作でいえば、ルーク、ハン、レイアが話をしているだけでおもしろいし、その掛け合いにキャラクターの魅力が現れているわけですが、本作のキャラクターにはそういった要素がない。間をつなぐR2-D2とC-3POのようなキャラクターもいないので、アクション要素がないシーンがとても退屈です。前半はアクションシーンも少ないし……。
後半に入ると、いよいよ戦艦や戦闘機などが登場し、スピード感あふれる戦闘シーンとなりますが、ここは逆に、これまでの『スター・ウォーズ』になかった映像にしようという意欲がいろいろ感じられました。モルジブで撮影した、南の海を舞台にした戦闘シーンの映像はおもしろかったです。
ただちょっとウォーカー系のマシンが軽い印象がありましたね。地に着いてないというか、重みを感じない。あれだけどっしりとしたゴジラを撮っているのに、なぜこうなっちゃったのかな?という疑問はありましたね。
この物語の直後、エピソード4につながっていくわけですが、話としてはつながってても映像としてはやはりつながらないですね。40年近く前の映画ですから仕方ない部分はあるにしても、戦闘のスピード感などは今の技術の後に昔の映画はやはり無理があります。ベイダーの戦いにしても、オビ=ワンとの戦いはハエが止まりそうですからね。
観終わった後の素直な感想としては「まあ、こんなもんか」というのが正直なところ。『スター・ウォーズ』シリーズの持つ、キャラクターと、その勢いで押し切る良さがない分、計算された物語という今風のストーリー展開を楽しめる映画です。まあ、前半を乗り越えられるかどうか、ですかね。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、全国ロードショー中です。
©2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved
●次の記事もオススメ ——————
・ハッピーハロウィン! さて、ハロウィンと聞いて連想するものとは?
・ルークが修業に訪れたダゴバに隠れ住んでいたジェダイマスター・ヨーダ
『来世は他人がいい』第7話 小津に過去の行いや霧島との関係を知られてしまった菜緒 |
『妖怪学校の先生はじめました!』第7話 最後の競技・障害物リレーで1位を狙う弐年参組 |
『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd season 反撃編ビジュアルを公開。2025年2月5日反撃開始! |
『銀河英雄伝説 Die Neue These』第43話 自由惑星同盟政府に向け、事実上の宣戦布告をするラインハルト |
『赤×ピンク』芳賀優里亜のラブシーン公開・禁断の予告編解禁! |
『新テニスの王子様 U-17 WC SEMIFINAL』第8話 一方的な試合展開でアメリカ代表ラルフを追い込むリョーガ |
『マインクラフト/ザ・ムービー』ストーリーが明かされる新予告解禁 2025年GW公開決定! |
入野自由、小野大輔、神谷浩史ら8名出演『神々の悪戯』イベント |
『Re:ゼロから始める異世界生活3』襲撃編最終回 叡智の書をプリステラへ持ち込んだのは自分だと告げるオットー |
『マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド』第2話 とある少女の荷物から血のついた凶器らしきものを発見するミコトと蘭奈 |