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竹中直人監督 最新作『R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私』完成披露試写会開催

1月15日(火)、新宿バルト9にて竹中直人監督の最新映画『R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私』(2月3日より全国公開)の完成披露試写会を開催。竹中直人監督、主演の平田薫、ピース・綾部祐二、津田寛治が出席しました。

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本作は、吉本興行の創業100周年プロジェクトの一環として、新潮社主催の公募新人文学賞「女による女のためのR-18文学賞」のシリーズ映画化を決定したその第一弾作品で、原作となったのは蛭田亜紗子さんの『自縄自縛の私』(新潮社刊)。監督は、海外でも高い評価を得、本作で新境地を見せた竹中直人。
主演は、平田薫が抜擢。ごく普通の女の子が、自縛という密かな趣味に惹かれていく姿が、せつなく、チャーミングに描かれています。また主題歌をLOVE PSYCHEDELICOが手がけ、新たに書き下ろされた曲「No Reason」が胸に沁み入るサウンドで、あたたかな余韻を残してくれる点でも注目です。
上映前の舞台挨拶で、MCを務めた出雲阿国の呼び込みにより壇上に現れたのは、主演の平田、綾部、津田、そして竹中監督。まずは平田が「こうしてみなさんに観ていただくのを心待ちにしていました。よろしくお願いします」と挨拶。竹中監督も「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます」とお礼を述べますが、「ちょっと綾部君の声が鼻にかかってるのが気になるんだけどねえ……風邪ひいてるんじゃないのか!?」といきなり苦言。しかし、すぐさま綾部から「いや、それ監督でしょ!」ということで、のっけからほぐれたやりとり。なかなか不思議なチームワークを見せてくれたのでした。
そして、役柄については「最初に自縛が趣味の女の子という設定に驚いた」と語った平田ですが「迷いなく演じられたので幸せでした」とコメント。そして一ヶ月半あまり、毎日家で縛りの練習をしていたと明かしたのですが、これには綾部もビックリ。「それまで経験なかったの?」と、とんちんかんな質問をする始末でしたが、平田は「知らなかったです(笑)。でもひとりでずっとやってるのは、結構さみしい気持ちになりましたね」。
また、そんな綾部は平田の恋人役だったわけですが、彼女との出会いのシーンを振り返りました。「監督が『普段しているキスをカットかかるまでやってくれ』と言うんでね」と言うと、竹中監督は「素晴らしかったです」。対する平田も「けっこうすごかったです」と語り、綾部のエロティックさが炸裂している様子をうかがわせました。

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一方、津田は竹中作品への出演は3作目。なんでも『無能の人』に感銘を受けた津田はかつて、スタジオまで出演を直談判に行ったほど。ということで、竹中監督について思いを語りました。「今回は竹中さんが初めて監督に徹されるということで、撮影前からめちゃめちゃ楽しみだったんです。それで以前は、ご自身も出演されていたためか、とにかく盛り上げる楽しい監督というイメージだったんですが、今回は逆にすごく俳優さんというのを感じました。というのも、今作では全部目の前で演技をやってみせてくれたんですね。それを見ていて、ちょっと感動的なシーンだと竹中さんは涙ぐんでるし、オレも涙ぐむという。そうして感動した体験を持ったまま、カメラの前に立てるという特殊な経験をしましたね」。
それを受けた監督は「自分の演技指導はともかく、今回初めて監督に徹したのは楽しかったですね。役者さんだけ見てられるからさ。自分が出てくると面倒くさいんだよ(笑)」。そんな監督は、今回題材がエロティックに感じられることについて「僕は縛るって行為が変態的だなっていう意識はないんです。だから、物語もひとりの女の子の姿を追ったものとして理解できました」とコメント。「だから、自然に撮れましたね」。そうして、出演者について「みなさん繊細な感じが見ていて面白かった。綾部くんは直観力が鋭いし、平田さんはまさにこの人しかないと思ったくらいセクシーでチャーミング。津田さんも長い付き合いですが、ずっと一生懸命な青年っていうイメージ。素直でちょっと変な役者さんだなって(笑)」と絶賛したのでした。
続いてはスペシャルな企画。阿国のフリに対して赤裸々に答えるという趣向で、いちばんの人にはご褒美が与えられるとか。以下は質問と、それに対する答えです。
Q:人に言えないストレス発散法は?
平田「家でひとりで、たぶん人に言ったら引かれるくらいの量のお酒を、浴びるほど飲みます。その量は……だいたい500mlのビール6本ケースを買ってきて飲んで、その後に行けたらワインをボトル一本とか(笑)」
Q:ズバリ、何フェチですか?
津田「匂いフェチですかね。それも人の体臭。嫌いなのもありますけど、好きなのはスイカみたいな匂い(笑)。男女問わずいるんですけど、女性はもちろん、男の人の場合も仲良くしたくなります」
Q:自分を変態だなと思う瞬間は?
竹中「楽屋の鍵穴から女優さんを覗いている……のを妄想する瞬間ですかね(笑)」
Q:ズバリ、好きなちゃんこの味は?
綾部「意味わかんねえよ! えっと……塩味」
Q:熟女の魅力とは?
綾部「なんでオレだけ多いんだよ。やっぱり品でしょうね。その品の中にすごくエロティックさがあるという。品格の中に、性への執着心がスゴイっていうのがまたね……ってえらいお客さんが引いてるような気がするんですけど(笑)」。
ということで、いちばんに輝いたのは綾部! そしてご褒美として登場したのは……縄を持ったおじさん!? いえ、映画で指導にあたった平田の師匠、緊縛師の奈加あきらさんです。「え?……えっ!?」と慌てる綾部に対し、奈加さんはするすると“後手縛り”を。「なんなんだよ、これ! こんな舞台挨拶見たことないよ!!」。動けば動くほど締まっていき、顔をしかめる綾部を中心に、記念撮影が行われたのでした。

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しかし! 記念撮影終了後に再びのサプライズ!! 残りの三人が服を脱ぎ捨てると……なんと三人ともが“亀甲縛り”をされているのではないですか!!! 「いつの間に!?」と驚く綾部に、「けっこう前に来てやってもらった」という三人とともに、いま一度記念撮影を。これはこれで綾部は「なんでオレだけ麻縄なんですか。一緒でいいじゃないですか!」と叫びますが、この映画らしい、というよりほかでは絶対見られないフォーショットが実現し、お客さんも大喜びなのでした。
最後に竹中監督は「こんな感じを見ると『なんだこの映画は!?』って思うかもしれないですけど(笑)。でも私は自分の映画を客観的に観れるタイプで、この映画はとても素敵な青春映画を観たなって感想を抱きました。これ(縛り)が売りになってるように思えるかもしれないですけど、中身は爽やかなので、多くの人に楽しんでくれると嬉しいです」とアピール。それを聴いていた平田、綾部、津田も、爽やかな表情をしていたのが印象的でした。もちろん、縛られながらではありますが。

©吉本興業
『R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私』
2月2日(土)、 新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか 全国ロードショー!
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