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映画史上の伝説的名作『八月の鯨』が公開当時の字幕でニュープリント上映!

岩波ホール創立45周年記念上映
『八月の鯨』
映画史上伝説的名作『八月の鯨』が、岩波ホール創立45周年を記念し、2013年2月16日より公開当時の字幕、スクリーンサイズ、ニュープリントのフィルムで、再上映される運びとなりました。本作は、無声映画~ハリウッド黄金時代に活躍した映画史にその名を残す2人の女優、リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスの奇跡ともいえる共演が話題となり、1988年の公開当時、31週間という異例のロングラン大ヒット、全国の劇場で連日満員が続出し社会現象にまでなりました。
老いを「凝視」したその内容は、社会的にも大きな反響があり、今もなお語り継がれる名作として、多くの人に感銘を与えています。

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1974年より世界の名作映画の発掘上映を行っているミニシアターの元祖である岩波ホールは『宗家の三姉妹』(1998)、『山の郵便配達』(2001)、『眠る男』(1996)など数々の大ヒット作を世に送り出してきました。
今日、映画界においてはフィルムがなくなり、デジタル化が急速に進むなかで、今一度、映画の伝統とフィルムの素晴しさを、観客の皆さまに味わっていただくために企画した上映となります。
●淀川長治氏からお寄せいただいたコメント(1987年当時)
この脚本、この演出、この配役、ただ見事につきる名作だ。ことにリリアン・ギッシュとベティ・デイヴィス‥‥
この二人を一作の中に見る奇蹟! これは美術だ、詩だ、名舞台だ。しかもこの名監督の映画精神しみこませ、ただ酔うのみ、ただもう涙あふらすのみ! ぜったい、ぜったい、ぜったい、見逃がし給うな!
●ストーリー
やがて鯨は姿を見せなくなり、老姉妹の季節も静かに変わっていった―
リビーとセーラの老姉妹は、長い人生の大半をともに過ごしてきた。彼女たちは、毎年夏になるとメイン州の小さな島にあるセーラの別荘にやってくる。かつてそこの入り江には8月になると鯨がやってきて、少女の頃、ふたりはよく鯨を見に駈けていったものだった。
姉のリビーは、第一次世界大戦でセーラの若い夫が亡くなった時、彼女の面倒をみた。しかしリビーは病のため目が不自由になり、今度はセーラがふたりの生活をしきっている。
そのようななか、リビーは他人に依存せざるをえない自分に苛立つことが多くなった。セーラは姉の世話を続けてゆく自信を失ってゆく。しかし昔のようにこの家を訪れる幼友達のティシャ、修理工のヨシュア、そしてロシアの亡命貴族というマラノフ氏との交流にささやかな憩いを見出す。
彼女たちは、もう一度、あの青春の思い出、八月の鯨を見ることができるのだろうか。

監督:リンゼイ・アンダーソン
脚本・台詞:デヴィッド・ベリー
撮影監督:マイク・ファッシュ
音楽:アラン・プライス
出演:ベティ・デイヴィス、リリアン・ギッシュ、ヴィンセント・プライス、アン・サザーン、ハリ―・ケリー・ジュニア
1987年/アメリカ/英語/91分/スタンダード/原題:The Whales of August
©1988 Alive Films,Inc.and Orion Pictures Corporation.All Right Reserved.
『八月の鯨』
2013年2月16日(土)岩波ホール他 全国順次公開
岩波ホール公式サイト:http://www.iwanami-hall.com/
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