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小津安二郎に捧げる山田洋次監督50周年記念作品『東京家族』

『東京家族』製作にあたって
2011年4月1日クランクインを目指していたこの作品は、準備の段階で3・11の東日本大震災、それに引き続き福島原発メルトダウンという歴史的な事件に遭遇し、製作を延期することにしました。3・11以後の東京を、或はこの国を描くためには、どうしてもそれが必要だと考えたのです。
あれから11ヵ月。新たに書き直した脚本でクランクインを迎えます。これは、2012年5月の東京の物語です。
長く続いた不況に重ねて大きな災害を経験し、新たな活路も見いだせないまま苦悩する今日の日本の観客が、大きな共感の笑いと涙で迎えてくれるような作品にしたいと、心から願いつつ撮影を開始したいと思います。
 2012年3月 山田洋次

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●日本映画界の巨匠・小津安二郎に捧げる、山田洋次監督50周年記念作品
半世紀のあいだ、その時代、時代の〈家族〉と向き合ってきた山田洋次監督が、いま2012年の家族を描く─
時代によってうつりゆく日本の家族の様々な姿が刻みつけられています。そして2012年、〈今の家族〉を描く山田洋次監督待望の最新作が完成しました。
監督生活50周年の節目でもある本作は、日本映画史上最も重要な作品の一つで、2012年に世界の映画監督が選ぶ優れた映画第1位に選ばれた、小津安二郎監督の『東京物語』をモチーフに製作されました。日本の社会が変わろうとするその時を、ある家族の日常風景を通して切り取った『東京物語』から60年─奇しくも現在の日本も、東日本大震災とそこから生じた様々な問題により、大いなる変化を突きつけられています。
その傷痕を抱えたまま、どこへ向かって歩み出せばいいのか、まだ迷い続けている私たちに、今を生きる家族を通して、大きな共感の笑いと涙を届けてくれる、感動作の誕生です。

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●大切だけど煩わしい─東京で再会した家族の触れ合いとすれ違い。これは、あなたの物語
2012年5月、瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉と妻のとみこは、子供たちに会うために東京へやってきた。郊外で開業医を営む長男の幸一の家に、美容院を経営する長女の滋子、舞台美術の仕事をしている次男の昌次も集まり、家族は久しぶりに顔を合わせる。
最初は互いを思いやるが、のんびりした生活を送ってきた両親と、都会で生きる子供たちとでは生活のリズムが違いすぎて、少しずつ溝ができていく。そんななか周吉は同郷の友人を訪ね、断っていた酒を飲み過ぎて周囲に迷惑をかけてしまう。
一方、とみこは将来が心配な昌次のアパートを訪ね、結婚を約束した紀子を紹介される。翌朝、とみこは上機嫌で幸一の家に戻って来るが、突然倒れてしまう─。
つれない子供たちの態度に、仕方ないと思いながらも、淋しさを抱く父と母。親を気にかけながらも仕事に追われる長男と長女、いくつになっても口うるさい父親につい反抗してしまう次男。
大切なのに煩わしい。誰よりも近いはずなのに、時々遠くに感じてしまう。そんな、どの年代のどんな人が見ても、「そうそう、うちもそう」と思わず共感してしまう─。これは、あなたと、あなたの家族の物語です。
慈しむように、寄り添うように丁寧に映し出される、どこにでもある家族の風景。切なく希望に満ちたエンディングの後に込み上げるのは、「家族に会いたい」という想いです。

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●キャスト
橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、風吹ジュン、茅島成美、柴田龍一郎、丸山歩夢、荒川ちか
●スタッフ
監督:山田洋次
脚本:山田洋次・平松恵美子
撮影:近森眞史
美術:出川三男
音楽:久石譲
照明:渡邊孝一
編集:石井巌
録音:岸田和美
スペシャルアドバイザー:横尾忠則
衣装:松田和夫
装飾:湯澤幸夫
助監督:花輪金一
記録:鈴木敏夫
スチール:金田正
音楽プロデューサー:小野寺重之
製作担当:相場貴和
製作主任:杉浦敬
ラインプロデューサー:岩田均・斉藤朋彦
プロデューサー:深澤宏・矢島孝
製作委員会:松竹 住友商事 テレビ朝日 衛星劇場 博報堂DYメディアパートナーズ 講談社 日販 Yahoo! JAPAN ぴあ 読売新聞社 TOKYO FM 朝日放送 メ~テレ RCC 九州朝日放送 北海道テレビ
制作・配給 松竹株式会社
カラー/ビスタビジョンドルビーデジタル/2時間26分
©2013「東京家族」製作委員会
『東京家族』
2013年1月19日(土) 全国ロードショー
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