『人生の特等席』クリント・イーストウッドの隣で、人生を眺める。
イーストウッドの隣で、人生を眺める。
そんな気持ちにさせてくれる映画――『人生の特等席』。
イーストウッド、82歳。このベテランだけが伝えられる人生の景色がある。しわがれ声で語られる、幸せのかたちがある。『許されざる者』と『ミリオンダラー・ベイビー』で、2度にわたってアカデミー賞作品賞と監督賞のダブル受賞を果たし、2008年『グラン・トリノ』では主人公の壮絶なラストで世界を驚かせた。そして2012年『人生の特等席』――。
この作品で、イーストウッドが見せるのは、誰にでもある、山あり谷ありの人生だ。しかしそれは、82年を生きぬいてきた、今この時の彼だからこそ伝えられる、かけがえのない人生の風景でもある。監督は、イーストウッドが生涯ただひとりの弟子と認めたロバート・ロレンツ。愛弟子の初メガホンに、人生を投影した演技で見せる一人の男の人生、そして “特等席”から見える胸にしみわたる風景――そのすべてに目を凝らしたい。
時代に取り残された伝説の名スカウトマン。
視力の衰えた彼は、疎遠だった娘とふたり、キャリア最後の旅に出る――。
クリント・イーストウッド演じるガス・ロベルは、メジャーリーグのスカウトマン。今の時代に、コンピュータも使わなければ、メールもしない、昔ながらのスタイルを貫く男だ。素直に感情を表現することが苦手で、話し方はぶっきらぼう、いつも気難しげな表情を浮かべている。
そんな、時代に取り残されたような男を、球団はお払い箱にしようとしていた。視力が衰え、目がかすみ始めたとはいえ、まだまだスカウトマンとしての自信と誇りは失っていない。ガスは、キャリア最後のスカウトの旅に出る。
手を貸したのは、父との間にわだかまりを感じつづけてきた一人娘のミッキー。妻を早くに亡くし、男手ひとつで育てようとして、育てられなかった娘と、思いがけず旅をすることになった不器用な父。初めて向かい合った父娘が、旅の終わりに見つけたものとは――?
共演は、娘ミッキー役に『ザ・ファイター』のエイミー・アダムス、父と娘をつなぐ若きスカウトマンに『ソーシャル・ネットワーク』のジャスティン・ティンバーレイク。
大ベテランと若手実力派のシンボリックな競演。味わいつくして余りある人生の妙味をご堪能あれ!
©2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT,INC.
『人生の特等席』
11月23日(金・祝)全国ロードショー
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2012/09/20 09:10 MOVIEW