Vol.153 『琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ』
マスコミ試写にて『琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ』観賞。沖縄で圧倒的な人気を誇るローカルヒーローがついにスクリーンへ。
15分番組として製作された第1シリーズから3年。現在第3シリーズ(外伝1シリーズを除く)がTV放映中の『琉神マブヤー』。その劇場版となる今作は、沖縄オールスターズとも言えるキャストが集結した長編作品。
こうした劇場版が製作されると、製作側がはりきってしまうのか、あるいは予算が多く取れるためなのか、本来の良さが消えてしまう作品になりがちですが、この作品は、よくも悪くもTVシリーズの雰囲気をそのまま劇場版にしたイメージです。もちろんアクションやVFXといった点ではTVシリーズよりも凝った作りになっていますが、シナリオ、演出ともにTVシリーズを観た方なら違和感なく観られると思います。
マブヤーは、なんといいますか、こう、シビアなストーリー展開というよりも、時々とぼけたような笑いのエッセンスが混ぜられた話ですが、劇場版も同様に笑わせるところは笑わせる、魅せるところは魅せるというメリハリがうまく散りばめられてます。
今回主役は山田親太朗さん、そしてもう一人の戦士ガナシーにISSAさんがキャスティングされていますが、なんといってもうまいなぁと思ったのはガレッジセールのゴリさんですね。テレビでもゴリさんだったっけ?と思うぐらいはまってました。笑いもシビアな演技もできるだけでなく、ハブデービルというキャラクターの演技が見事。そのままスーツアクターでもいけるのでは?と思わせる感じでしたね。
この作品では劇場版ということでスペシャルなゲストも登場します。一人は仲間由紀恵さん。出番はそれほど多くありませんが、非常に重要な役どころで出演されています。それともう一人。秋田のローカルヒーローである超神ネイガー。日本のローカルヒーローとして最初に注目を浴びたネイガーは、このマブヤー誕生にも深く関わっていて、今回夢の共演が実現。共演シーンは楽しかったですよ(^_^)
マブヤーというとメッセージ性のあるストーリーという点も評価が高いわけですが、この作品でも子供達に向けた様々なメッセージが含まれています。ただ、最初から最後までずっとという感じも若干あり、少々説教くさくなってしまっているかなぁという気もしました。こういうものってポイントでビシッと出すことで効果が上がると思うんですよね。子供を叱るのに、同じことを何度も何度も言ってるとそのうち聞かなくなってしまう。この点が少しマイナスかなと。
あと、TVシリーズの頃から気になっていたのですが、映像が青や緑のフィルターがかかったような色に見えることがあります。試写でもらったプレスシートの写真では普通の色なんですが、何かそういった処理をしてるんでしょうか。せっかくの沖縄の風景がもったいないなぁと思うところがいくつかありましたね。
現在TVシリーズの第1作がTOKYO MXで放送されていますが、この劇場版でいよいよ全国へ進出するマブヤー。沖縄で先行公開された後、年が明けてからの全国公開となるので、沖縄以外で観られるのはまだ先になりますが、沖縄以外でどのような評価を受けるか楽しみです。
『琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ』は10月29日に沖縄先行公開、2012年1月7日から全国ロードショーです。
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コラム, 特撮映画
2011/10/17 03:36 MOVIEW