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Vol.108 『アイアンマン2』

アイアンマン2一般試写にて『アイアンマン2』を観賞。マーベルのアメコミヒーローを映画化した『アイアンマン』の続編。
前作の衝撃のラストシーンから始まるこの作品は、続編映画にありがちな罠にはまらず、素直な続きとして観ることができ、なんら世界観を壊していないのがいいですね。主人公トニー・スターク、その秘書ペッパー、友人でもある軍人のローディ。それぞれのキャラクターが前作と同じ性格・言い回しで登場し、それぞれの人間関係もそのまま。続きだから当たり前と思われる人もいると思いますが、その当たり前のことができていない続編がどれだけ多いか。


続編が作られるというのはもちろんファンの要望ということもあります。この作品の前作の終わり方からすると、その続きはどうなるんだろう?と気になりますよね。作り手側はその期待に応えるべく、様々な仕掛けを用意したり、スケールをアップしたり、強力なライバルや敵を登場させたりします。
ここでよくあるのが、前作を超えようとするあまりに見当違いの方向に突き進んでしまうこと。いくらなんでもその方向はないだろうとか、姿も形も同じだけど中身が違うキャラだよねとか、数出せばいいというものではないだろうというような感じでしょうか。
この『アイアンマン』においては、アイアンマンというキャラクターの魅力もさることながら、トニーの性格、立ち居振る舞い、さらにペッパーとのやり取りの中に思わずくすっと笑ってしまうようなユーモアがあり、そのおもしろさがこれまでのヒーロー物とは少し違う全体の雰囲気を作っているように感じます。それがそのまま引き継がれている……つまり、前作でおもしろいと感じたことをさらに観られるわけです。
さらに言うなら、前作はおもしろさの影でどこか暗い部分がありましたが、それがないのがいいですね。ゲリラのアジトから脱出する際に使ったアイアンマンのプロトタイプ(マーク1)が悪事に使われたり、信じていた者に裏切られたりと、自分がまいた種ではありますが、前作の戦いはなにかこうやりきれないという雰囲気がありました。
しかし今回は明るいといったら変なのですが、そういったことを感じさせるシーンがない。長年の恨みをはらすという目的を持つ敵、スターク社の後釜に入り込んだ会社のCEOは出てきますが、当のトニーからするとそれまで見知らぬ者であり、そこに確執は観られません。新たなる挑戦者が現れたぐらいの感じでしょうか。
それでいて、その相手がとてつもなく強くて太刀打ちできず、あり得ない進化を遂げるしかないというようなこともありません。もちろんアイアンマンもパワーアップしますが、その進化が素直に納得できるレベルでとどまっているところがいいです。
また、その明るい雰囲気の上で、アーク・リアクターの副作用による死の恐怖、生前埋まることのなかった父親との確執といった、とても人間くさい部分を見せるトニーを挟み込み、物語に厚みを加えています。
個人的な見どころとしては、今回最大の敵となるミッキー・ローク演じるウィップラッシュがトニーを襲うシーンがモナコグランプリの会場なのですが、このシーンはすごいです。実際のレース会場を走るフォーミュラーカー、観客、そこに何でも切り裂いてしまうムチをもったウィップラッシュが襲撃。マシンがスパッと切られるわ、空は飛ぶわ、爆発炎上するわ……CGも用いているようですが、実際に撮影した映像のほうが多かったように思います。CGは便利ですが、やはりリアリティに欠ける部分があり、リアルな物を撮影した映像には迫力などでかなわないなと改めて思いました。
それにしても……本人(?)は手伝ってるつもりなのによけいなことをしてトニーに怒られてしまう不器用なロボットアーム。前作から引き続き登場するのですが、人間っぽい知能を持ったこのロボットアーム、ほしいなぁ。もちろんすごく優秀なアシスタントコンピューター(とでも言うのかな?)はもっとほしいですが。
『アイアンマン2』は6月11日からTOHOシネマズスカラ座ほか全国ロードショーです。
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