Vol.50 『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』
『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』をTOHOシネマズ錦糸町で観賞。同時上映は『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』。
まずはシンケンジャーから。映画館によっては3D映画として上映されていますが、それを除くとテレビとの違いがよくわかりませんでした。これまでも劇場版ライダーと併映されて、短編ながらも番外編的なストーリーだったりしましたが、今回のはわざわざ映画として作る必要があったのかどうかという気はしました。軍勢といって申し分ない敵の数や、アクション面での見せ場は確かにあるのですが……。
さてライダーのほうですが、
1号から最新のディケイドまでが登場する、いわばオールスターキャスト的な映画。しかしあくまでも主役はディケイドであり、各仮面ライダーそれぞれのアクションシーンはあるにしても、やはりその他大勢という感じでしたね。
これだけの登場キャラクターがいるのに時間が圧倒的に足りないという気はしました。本筋であるディケイドの話すらダイジェストに見える感じ。話をつなげるために強引につないだために、どうも前後のつながりがきちんと描かれてないため、登場人物の行動・セリフに説得力がない。それは唐突だろ?という考え方やセリフが随所にみられました。
それから、雑誌やCMなども含め、ネタバレが多すぎるのもちょっといただけないですね。ラストまで驚くことがほとんどなく、逆に、ここが見せ場!というシーンがすでに公開されているというのはマイナスだと思います。20人以上の仮面ライダーが並んで歩くシーン、GACKTの登場シーンなどもそうですし、クウガのライジングアルティメットフォームや、敵キャラとしてシャドームーンやキングダークが出てくることもわかっている。このあたりが伏せられていれば、映画館で「おぉ!」となったと思うので少々残念。
最強のライダーを決めるライダーバトル、それからラストの大ショッカーとの激闘シーンなどはワクワク観られるのですが、それもちょっと短くて物足りない感じがします。もっと観たいのになぁ……と。
もちろん昔のファンが喜ぶようなシーンもあります。主人公たちがピンチになると助けに現れるライダーたちというのは昭和の仮面ライダーの王道ですよね。テレビを観ていても思わず「来たっ!」と叫びたくなるような。ディケイドとディエンドのピンチにさっそうと現れる全ライダー。しかも1号、2号、V3はそれぞれのバイクに乗って登場! このシーンはやはりよかったですね。
さらにガラガランダへのダブルライダーキックのかっこいいこと! 昔のテレビシリーズでもっとも盛り上がったダブルライダー編のころの記憶が蘇ります。でも、だったら……シャドームーンとの戦いはBLACKにしてほしかったなぁと思うんですけどね。細かいところではありますが、そういうところを含め、きちんとした長さの映画にしたらよかったのではないかと。
GACKTのシーンも惜しいんですよね。そんな簡単に考え変わっちゃう?というつっこみを入れたくなる。結城丈二役だったわけですが、腕のアタッチメントはリファインされていていいデザインになっていましたし、セリフもいいのにやり取りが唐突すぎる感じがして……さらに言うと変身シーンがないのも残念。というか、我々は結城丈二=ライダーマンと思ってますけど、この映画の結城丈二ってライダーマンだったんですかね? 別にそれがイコールでなくてもいいような気がします。
平成仮面ライダー10周年を飾るお祭り映画といってしまえばそれまでですが、個々の素材がしっかりしているだけにいろいろもったいないなぁと言う気がしました。
そういえば結城丈二のアタッチメントのリファインされたデザインを観たとき、ひょっとして……と思ったことがあります。テレビのディケイドには新デザインのアポロガイスト、十面鬼が登場し、この映画では新しいライダーマンとキングダークが出てきた。これって、『仮面ライダー THE NEXT』の続編用に作っていたものだったりして……もしそうだったらあの続きは観られない可能性もあり、ちょっと悲しいかも……杞憂ならいいのですが……。
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コラム, 特撮映画
2009/08/12 05:46 MOVIEW