Vol.25 『ゴジラ対メカゴジラ』
観賞映画振り返りコラムの3回目は『ゴジラ対メカゴジラ』。弟を連れて二人で観ました。確か映画館は江東劇場。1974年の春の東宝チャンピオンまつりで上映された作品なので、他にもフィンガー5の映画やらキャシャーンやらあったはずなのですがこの作品しか観た記憶がありません。
以前『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦』について書いたとき、畏怖の対象であったゴジラが人類の味方になってしまい興味の対象外になったと書きました。しかし、ゴジラが正義の味方になっても戦う相手には興味津々でした。本当は『ゴジラ対ヘドラ』のヘドラや、『ゴジラ対ガイガン』のガイガンはとても気に入っていて、観に行きたかったのですが、自由に映画を観に行ける年齢でもなくあきらめた経緯があります。ヘドラのデザインは秀逸だし、ガイガンにいたってはお腹のノコギリをどうやって回しているんだろうととても不思議でしたね。
それはともかくとして、今回の敵はメカゴジラ。あのゴジラの容貌を持ち、ロボットになったらそりゃあ強いに決まっている……これは絶対観なきゃいけない!
とわくわくしながら観に行きました。が……弱っ(-_-;) えぇこれで終わりなの? 弱すぎ!! しかもデザインがあまりかっこよく思えず……こんなおもちゃみたいなロボットでゴジラと戦うなんて無謀!とすら思えました。好きな方にはもうしわけないですが……。
この作品にはもう1体、オリジナルの怪獣が出てきます。キングシーサー。こちらのほうが断然気に入りましたね。猛々しい顔、迫力ある口、いかにもパワーのありそうな上半身。怪獣らしい怪獣とでも言えばいいでしょうか。そもそもシーサーというものをこの当時知らず、沖縄で魔除けに使われている像というのをこのとき初めて知りました。
沖縄が日本に返還されて2年。沖縄海洋博を次の年に控えたこの時期だったこともあって沖縄が舞台になったのだと思いますが、逆に言うと、子どもには沖縄という場所にまったくなじみがなく、このシーサーにしても出てくる風景にしてもとても新鮮でした。風光明媚にもシーサーの写真を掲載していますが、実は沖縄に取材に行くたびにシーサーの写真をできるだけ撮影してきます。それも猛々しいシーサー。ユーモラスなシーサーより、魔除け然としたシーサーのほうが好きなのは、このキングシーサーを観た印象が強かったからかも知れません。
話がそれました。ゴジラ映画はこの次の『メカゴジラの逆襲』で一端途絶えます。個人的には、怖くないゴジラが終わってくれたことに少しほっとしたのと同時にさみしさもありました。いつかまた、人類の愚挙を正しにくるゴジラに会いたい。当時はそんなふうに思っていました。
コラム, 特撮映画
2008/10/14 03:31 MOVIEW