Vol.212 『テルマエ・ロマエII』
TOHOシネマズ錦糸町『テルマエ・ロマエII』を観賞。なかなかコラムを書く時間が取れず、観てからすでに3週間近く経ってしまいました。まだ上映してるようでよかった……。
古代ローマから現代日本へタイムスリップしてくる浴場設計技師ルシウス。日本の温泉文化をローマに持ち込み、斬新なテルマエ技師として人気者となったルシウスに課せられたのは、グラディエーターのための風呂。そのグラディエーターが死闘を繰り広げるコロッセオでは、ローマ皇帝と対立する元老院の陰謀がうごめいていた……。
大ヒットとなった前作同様、現在のテクノロジー、グルメなどに驚く、そのカルチャーギャップが笑いを誘う作品。そのヒットを受けてから、笑いの回数、豪華なセット、ブルガリアでのロケなど、かなりのパワーアップを果たしています。
しかし、すでに前作を観ている者としては、そこに新鮮味を感じられない分、お金や時間をかけてパワーアップした部分をそう受け止められないというところがあります。前作から時間が経過していることもあり、頭の中で『テルマエ・ロマエ』の世界ができてしまってますから、相当変わらないと、すごくよくなってたという印象は受けにくいんだと思います。
キャストも前作のメンバーがほぼ勢揃いしているわけですが、平たい顔族として登場する現代日本のメンバーは今回活躍の場も少なく、逆に絶対に出さないといけないという感じではなく不要な尺に感じられる部分もありました。
また、ローマでの事件も切羽詰まった感というか、緊張感というものが感じられず、クライマックスで大盛り上がりとはならなかったのが少々残念です。
コロッセオの映像もよくできてましたが、やはり『グラディエーター』を初めて観た時の感動に比べたら見劣りしますよねぇ。かけてる費用も時間も違うのは重々承知していますが、やはり比べざるを得ないですね。相撲協会が協力し、出演した力士たちはかなりがんばってたと思いますが、ラッセル・クロウにはかなわないというところでしょうか。
今回も草津をはじめとして、温泉地がいくつもロケ地に使われてますが、その中で宝川温泉は行ってみたいんですよねぇ。今作でのシーンを観て、さらに行きたくなりました。どうせ行くなら冬に雪見風呂と思っていましたが、緑に囲まれた宝川温泉もいいですね。行こうと思うと何かしらあって、縁遠くなっている感じ。近いうちに行きたいです、はい。
全体的にはもちろんおもしろい作品ですし、これまでの邦画にはなかったタイプの映画だと思いますし、観てつまらないということはないですが、初見ではない分、損しているかなという感じです。
『テルマエ・ロマエII』は興行収入40億円を突破して、大ヒット上映中です。
©2014「テルマエ・ロマエII」製作委員会
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コメディ・ギャグ映画, コラム
2014/06/20 01:28 MOVIEW